『2023全日本選手権ロード』、6月25日に伊豆市のサイクルスポーツセンターで行われた男子エリートロードレースは「世界一過酷な国内選手権」と評されるほどのアップダウンの激しいコースとなった。
厳しいレースを制したのは山本大喜（JCL TEAM UKYO)。ラスト1周前に先頭集団から単独でアタックし、逃げ切りで初の日本タイトルを獲得した。
131人のスタートの中で21人しか完走出来なかった厳しいレースをお伝えする。
『2023全日本選手権ロード』男子エリートロードレース
男子エリートロードレースに出場したのは131人。前年の優勝者である新城幸也（バーレーン・ヴィクトリアス）、近年のチャンピオンたち（草場啓吾、入部正太朗、山本元喜、畑中勇介）など、日本一を決めるに相応しい面子が揃った。
レースはサイクルスポーツセンター周辺を含む8kmの周回コースを20周、計160kmで争われた。コース設計は獲得標高が5000mを越える、ほぼアップダウンのみの厳しいレースとなった。
レーススタート
ゆったりとした雰囲気の中スタートしていくと、2周目からアタックが始まり、序盤で8人の先頭集団が作られる。8人の中にはJCL TEAM UKYO山本大喜から岡篤志、愛三工業レーシングチームから石上優大と草場啓吾、そして山本元喜（キナンレーシングチーム）など、強力な選手が含まれた。
一旦レースは男子特有の逃げ集団、メイン集団に分かれて周回を重ねていく。
1周から2周目へと入り、先頭集団が形成されていくところ
最大5分ほどの差でレースが展開されていく中、先頭集団からも脱落者が次々と出て、終盤には先頭集団は4人となる。JCL TEAM UKYOの山本大喜と岡篤志、2018チャンピオンの山本元喜、そして2018年U-23チャンピオンの石上優大。
逃げる先頭の4人
メイン集団では新城幸也を筆頭に実力のある選手、チームが前との差を詰めようとするが、その差がなかなか縮まらずにレースは最後の2周を切る。
新城幸也を含む追走集団
新城幸也
先頭の4人の中の勝利が固まってきたところで、単独でアタックをして抜け出したのは山本大喜。
単独トップで最終周回へと入った山本大喜
兄の山本元喜がこれを追うが、JCL TEAM UKYOのチームメートである岡が山本元喜をぴったりマークしていく。石上は前から少し離れてしまう展開。
最終周回に入り、前の山本大喜を追う山本元喜（写真 前：山本元喜、後ろ：岡篤志）
最終周回に入っても、山本大喜と後ろとの差が詰まることはなく、山本大喜が自身初の男子エリートロードレースの日本タイトル獲得を果たした。
優勝を決めた山本大喜
2位にはトップから30秒ほどの差で岡篤志、そして3位に山本元喜、石上も最後まで追走に捕まることなくフィニッシュし4位となった。新城幸也は終盤に追走グループの中に入り、差を詰めるが届かずに8位となっている。
