ゴール直前、激闘の末に起きた悲劇
ツール・ド・フランスの第4ステージ、ゴールまであと数百メートルという地点でクラッシュがおきました。世界王者のペテル・サガン(Peter Sagan)選手と右後方にいたマーク・カヴェンディッシュ(Mark Cavendish)選手が接触、カヴェンディッシュ選手はフェンスに押しやられ転倒。さらに、カヴェンディッシュ選手に巻き込まれ、他にも2選手が転倒してしまいました。
当初、2位でゴールしたサガン選手ですが、カヴェンディッシュ選手を故意に押して転倒させたと判断され、最終的に失格処分となりました。この処分を当然と思う人達がいる一方、全面的に擁護するファンも多く、スローモーション動画による検証が行われるなど、ネット上でも議論を呼んでいます。
各メディアで配信されている写真によってはサガン選手がひじ打ちしているように見えるのですが、映像で確認すると、その直前にカヴェンディッシュ選手がバランスを崩しているようにも見え、そもそも実際にひじが当たったかは本人たちにしか分からない微妙なところ。実際、映像を確認しサガン選手を擁護している選手たちもいます。そんな訳で、今回の処分は厳しすぎると思う人が多いのでしょう。
サガン選手は故意ではなかったと主張
サガン選手自身も、「故意に転倒させたつもりはない」という趣旨のコメントをしており、所属するボーラ・ハンスグローエも正式に抗議する構え。とは言え、決定が覆る可能性は低いと見られており、第5ステージ以降に登場することはなさそうです。前日には区間優勝し、好調ぶりを見せていたサガン選手ですが、期待されていた6年連続でのマイヨ・ヴェール(※合計スプリントポイントが1位の選手に与えられる)獲得は絶望的な状況です。
インタビュー中のペテル・サガン選手
カヴェンディッシュ選手も怪我でリタイア
一方、カヴェンディッシュ選手はこの転倒により右肩を骨折、ツール・ド・フランス2017をリタイヤせざるをえなくなりました。普段、サガン選手と仲が良いというカヴェンディッシュ選手ですが、2011年の世界選手権・個人ロードレースで優勝、ツール・ド・フランス2016ではステージ4勝を飾るなど、今年も活躍が期待されていたトップ選手だけに非常に複雑な心境でしょう。
インタビューに答えるマーク・カヴェンディッシュ選手
まとめ
誰もが一番を狙うゴール直前の激闘中に起きてしまった今回の悲劇。ツール・ド・フランス2017から、スター選手が2人も姿を消すと言う悲しい結果になってしまいました。特に、世界王者であるサガン選手には熱狂的なファンが多く、サガン選手目当てにツール・ド・フランス2017を見ていた人も多かったはず。色々と残念ですね…