4人それぞれの『スポンサー探し』
以前More CADENCEでもスポンサー探しの日々について語ってくれた長迫選手。
BMX 長迫選手:とにかく連絡しまくった
「僕はまず地元・岡山県内にある企業をネットで探して電話してみて、応じてもらえればプロフィールを送りました。返事がもらえずに自然消滅してしまうパターンも多いです。それを繰り返していくうちに、次はどこにいけばいいのかわからなくなってしまい・・・・最終的にはスーパーで商品のラベルに書いてある電話番号に電話をかけていました」
と、500社ほどの会社にコンタクトした経験を語る。
「『なぜうちの会社を選んだのですか?』の質問に答えることができなくて、話が白紙になってしまったことがあります」
と失敗談を語った。
空手 月井選手:全てを素直に話す
月井選手は現在フィリピンで活動しており5社とスポンサー契約をしている。その契約の際には「素直に全部話してしまう」ことにしていたという。
「お金が足りてないことをおおっぴらにすることに抵抗があり、最初は貯金を切り崩して生活していました。でもアジア選手権でメダルを取ったことで本気で世界を目指したいと決意し、自分の練習状況が整っていないことを正直に発信していくようになりました。それを聞いた方がスポンサーの方々を紹介してくださったりして、今は5社に支援していただいています。
空手は月に3試合くらいあって、それが世界各所で行われます。年で最低300万円は費用が必要になると計算して、それを1社に支援していただくのは厳しいと判断しました。なのでスポンサーのお話を進める中でも『これくらいの額が必要で、でも全額は難しいと思うので少しずつでもお願いできれば』と最初に話してしまっています。なので私は素直に全部話してしまうのが良いと思っています。お金のことも、自分のやっていることの目的や、引退後はこんな風に還元したいという思いも、全部です。」
フェンシング 徳南選手:社長宛てにプロフィールを速達で
現在はサラリーマンアスリートとして活動している徳南選手。もともと実業団チームに所属していたものの、環境が悪化し海外遠征の費用を自費で賄わなければならなくなり、状況を打破するためにスポンサー探しを始めた経緯がある。
「当時は全日本のタイトルは持っていたもののオリンピアンでもなんでもなく、マイナー競技の日本一だけでは社会的価値やインパクトはほとんどありませんでした。軒並み断られた中で、1社だけお話を聞いてくれた会社がありました。それが今契約社員としてお世話になっている会社です。
どうしてあの時話を聞いてくれたのか、あとから聞いてみたところ「飛び込み力」を評価してくれたという話でした。社長宛に速達でプロフィールを送ったんですよ。そうすると秘書の人が優先度の高い書類として振り分けてくれるので(笑)
競技の結果だけを提示してスポンサーになってもらうのは難しいと思います。人間力や、どういう活動をしているかというのも大事だと思います。応援したい、可能性がありそう、などと思ってもらうことが大事ではないかなと思っています。」
トラック競技 新田選手:成績よりも人間力
新田選手は「競輪選手をしている人がお金に困っているかどうか、それは人それぞれだと思いますが、スポンサーを得ようと思った時に大事なのは『人間力』だと思います」と語った。
「競輪で稼いで、オリンピックに出ていたとしても自分のことを知っている人はすごく少ない。だから成績よりも人間力で勝負しなきゃと思っています。」
と四者四様の経験や意見交換が成された。