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厳しい措置を即時施行

UCIはその他にも、IOC(国際オリンピック委員会)が2月28日に発表した強力な決定事項を、自転車競技においても採用することを決断。

UCIが政治的中立の立場をとる組織であるものの、オリンピックの価値を擁護するためには必要な決定であるとし、以下のような特別措置の即時施行を発表した。

【1】ロシア・ベラルーシのナショナルチームと、ナショナル選抜チームに対し、UCI国際カレンダー(UCIカレンダー)に登録された全ての大会への出場を禁ずる。

【2】ロシアもしくはベラルーシを国籍とするUCIチームから、その地位を取り下げ、当2カ国によるUCIチームへの申請も認めないものとする。対象となるUCIチームは以下の通り。

ロシア国籍のUCIチーム
・Gazprom – RusVelo(UCIプロチーム)
・Vozrozhdenie(UCIコンチネンタルチーム)
・Marathon – Tula Cyling Team(UCIトラックチーム)

ベラルーシ国籍のUCIチーム
・CCN Factory Racing(UCIコンチネンタルチーム)
・Minsk Cycling Club(UCIコンチネンタルチーム)
・Minsk Cycling Club(UCIウィメンズコンチネンタルチーム)

【3】UCIカレンダーに登録された、ロシア・ベラルーシにて開催される大会は全て中止とする。追加申請も認めない。

【4】ロシア・ベラルーシの国内選手権は、UCIカレンダーから取り消すものとする。

【5】ロシア・ベラルーシに関連したエンブレム・名称・略称・旗・歌などの使用を、UCIカレンダーに登録された全ての大会で禁止する。従って、当2カ国の国内チャンピオンジャージの使用も禁止する。

【6】UCIが主催する大会において、その運営組織職員への応募者から、ロシアもしくはベラルーシの国籍を持つ者の応募は認めないものとする。

【7】UCIカレンダーに登録された全ての大会の主催者に対し、地域チームや混合チームを含め、ロシア・ベラルーシのチームの招待を禁ずる。

【8】追加の発表がない限り、ロシアもしくはベラルーシの国籍を持つ国際審判(コミッセール)に対し、UCIカレンダーに登録された大会での審判を任命しない。

ロシア、ベラルーシ側への救済措置

以上のように、ロシアもしくはベラルーシの国籍を持つUCIチームや当2カ国の自転車連盟に対し、厳しい措置が適応される。

さらにUCIは、選手個人やチームスタッフ、大会主催者に対する措置や要求も以下のように発表した。

・ロシアもしくはベラルーシの国籍を持つ選手のうち、当2カ国以外を国籍とするチームに在籍する場合、UCIカレンダーに登録された大会へのエントリーは可能。

・ロシアもしくはベラルーシの国籍を持つチームに在籍する選手のうち、個人としてエントリーできる場合、UCIカレンダーに登録された大会へのエントリーが可能。

・ロシアもしくはベラルーシの国籍を持つ選手・スタッフのうち、その他の国との多国籍を所有する場合は、競技国籍の変更を申請することが可能。

以上の形式でエントリーした際には、ロシア・ベラルーシの選手は中立的な立場をとり、大会主催者はロシア・ベラルーシに関する情報発信を控えるように要求した。

全ての選手・スタッフへのリスペクトを要求

UCIは、以上のような厳しい措置を講じた一方、主催者・観客・選手に対し、

「レースへの参加が正当に認められた、ロシア・ベラルーシの選手たちを尊重すること」

を呼びかけた。

参照:UCI プレスリリース