マウンテンバイク・クロスカントリーの見どころ

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世界トップレベルの出場選手

男女ともに世界トップの選手たちが集結するのも大きな見どころ。

マウンテンバイク好きが楽しめるのはもちろん、オリンピックで初めてマウンテンバイクを見るという人でも絶対に楽しめるであろうメンツが顔をそろえる。

ニノ・シュルター(スイス)

東京オリンピックのプレ大会として2019年10月6日に同コースで行われた「READY STEADY TOKYO」では、リオ大会の優勝者でもあるスイスのベテラン、ニノ・シュルターが圧倒的な勝利を挙げている。もちろんシュルターも本大会に出場。プレ大会で走った感想を、体力的にも技術的にもチャレンジングなコースと語ったシュルターだったが、このオリンピックに向けて調子を上げてきているようだ。

マティアス・フルッキガー(スイス)

同じくスイスのマティアス・フルッキガーも、オリンピックの前哨戦となったワールドカップのクロスカントリーで、オンドレイ・シンク(チェコ)との激戦を直近の2回制しており、準備は万端。

マチュー・ファンデルプール(オランダ)

そしてやはり何よりも注目なのは、マチュー・ファンデルプール(オランダ)だろう。去年からロードレースのトップカテゴリーであるワールドツアーに出場し始め、現在まで勝利を量産してきているファンデルプール。

現在開催中のツール・ド・フランスでは、ステージ勝利ならびにマイヨ・ジョーヌを初めて着用したファンデルプールは、第9ステージでリタイヤし、この東京オリンピックマウンテンバイクに照準を合わせてきている。

トーマス・ピドコック(イギリス)

また、イギリスの22歳、トーマス・ピドコックがファンデルプールの勢いにどれだけ食らいついていけるかも見どころだ。

ファンデルプール同様、ロードレースではトップカテゴリーのワールドチーム、イネオスグレナディアズに所属し、ワンデーレースで好成績を収めている。マウンテンバイクでは、5月中旬のワールドカップ第2戦でファンデルプールを敗って初優勝。

その後、トレーニング中の事故により鎖骨を骨折したが、事故から6日後には自転車の上に戻った様子を自身のSNSで公開。信じられないほどの回復力でファンを驚かせた。

山本幸平(日本)

これまで世界を主戦場としてきた日本代表の山本幸平の走りにももちろん注目したいところだ。オリンピックは4大会連続の出場となり、この東京オリンピックを選手生活の集大成としている。

リオ大会でもいいスタートダッシュを見せていた山本は、日本の中では、ワールドカップでの連戦を主軸に置いた先駆者。35歳とベテランの域に達しながらも未だ日本最強の称号を手にするMTBレーサーの走りを最後までしっかりと見届けよう。

今井美穂(日本)

女子は、日本からは小学校の教師を本職とする今井美穂が熾烈な国内選考を経て出場枠を射止めている。

優勝筆頭候補は・・・

優勝候補筆頭となるのは、今シーズンワールドカップ4戦で負けなしの21歳、ロアナ・ルコント(フランス)や、同じくフランスの現世界チャンピオン、ポーリーン・フェラン=プレヴォが予想される。

プレ大会を制しているヨランダ・ネフ(スイス)は、2019年末のトレーニング中に深刻な怪我を負った。

今シーズンの6月中旬のワールドカップ第3戦では4位と、表彰台争いに返り咲いているが、今度はそこで手首を骨折。1か月の期間を経て、東京オリンピックへ向かう。

2018年の世界チャンピオンであるケイト・コートニー(アメリカ)もまた、ワールドカップ第2戦で腕を骨折したが第4戦では復帰。

なお、プレ大会では試走時の怪我により、レースに出走していない。

男女とも、素晴らしいコースでの激戦を期待しよう。

【7月26日版】随時更新!東京オリンピックマウンテンバイク スタートリスト

Text : 滝沢佳奈子(サイクルスポーツ)