後進育成に力を注ぎたい

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「楽しさ」を大事にしたい

Q:よくインタビューなどで「初心を忘れずに楽しむ」と仰られていますが、どういった形で楽しさを見出していますか?

本当に気候に左右される競技で、例えばマイナス20度の真冬の中練習とかもあるんです。

普通は嫌だと思うんですよね。でもその中で何らかの楽しさを見出すことを常に考えています。プラス思考じゃないとできない競技だと思いますね。少しのことに、嬉しさや楽しさを感じながら競技してるっていうのはあります。

楽しく思えず、やりたくない時もありました。でも楽しいからこそこの競技を始めたし、常に持ってないと自分自身が楽しくない。だから、いつも声に出しています。

Q:ご自身の最高位(2013年の世界選手権の最高位が13位)のときは「楽しい」が大きかったですか?

「楽しくて、成績も出た」っていう感じですね。今は自分の中の「世界トップ10を目指す割合」が少なくなっているので、競技の成績はそこで行き止まりだったんだと思います。

金メダルを獲る方って、頭の中の「金メダルを獲りたい」がかなり大きい人で、だからこそ金メダルを獲ると思うんですよね。人間ってそういうことなのかなと思います。

今の僕は成績云々よりも、「楽しくって仕方がない」を重要視したいと思います

Q:では、オリンピックの目標をお願いします。

順位としての目標は「8位以内」です。

ただ、スタートからゴールまで僕らしい走りをしたい。その目標としては「僕が僕に勝ちたい」です。イメージトレーニングのまま突っ走れたら、僕自身は満足かなと思っています。

Q:オリンピックの模様はBS1で放映されるとのことですが、視聴者、および応援してくれている方に一言お願いします。

東京オリンピック、僕自身全力で走るのはもちろんですし、全力で楽しみたいな、と本気で思っています。「山本幸平という走り」を見てもらって、プラスの思い・エネルギーを得て、嬉しくなってもらいたい。26日は、皆さんには楽しんで応援してもらたいなと思っています。

終わる際には笑顔で手を振る姿が印象的だった。10歳から35歳までずっと競技の最先端を走り続けた山本選手。これが競技人生最後のオリンピックとなるが、「自身に勝つ」走りができることを願いたい。