2023年8月12日、『sfiDARE CRIT vol.12 – 2023 KYOTO NIGHT CRIT – 』が京都府亀岡市にある「サンガスタジアム by KYOCERA」にて開催された。

競輪やトラック競技で使用される「ピストバイク」に乗って競い合うレースイベントに、More CADENCE編集部が潜入!現地の模様をレポートしていく。

sfiDARE CRITとは?

『sfiDARE CRIT(スフィダーレ・クリット)』は、ピストバイクに乗って実施される”日本唯一”のクリテリウムレースだ。

ピストバイクとは競輪やトラック競技でも使用されている自転車であり、変速機(ギア)がなく、ギアが空転しない固定ギアを使用し、さらにブレーキが付いていないことが特徴。このような特徴から公道で走ることは禁止されている。(前後輪にブレーキを装備すれば公道でも走行可能)

一方クリテリウムとは、主に1周500m〜5kmほどのコースで実施される周回レースのことを指し、ロード種目として実施されることが一般的なレース形態。国内では『ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム』などが挙げられる。

なぜ「日本唯一」?

なぜ『sfiDARE CRIT』がピストバイクで行う日本唯一のクリテリウムなのか。

現役競輪選手でもあり、レース主催者の1人である児玉利文氏(岐阜・76期)曰く、

「普通はそんなこと思いつかないでしょ」とのこと。

それもそのはず。ピストバイクは競輪やトラック競技が行われるバンクでの走行に特化した自転車。簡単に言えば「直進して加速する」ための自転車であり、「急カーブや減速」には不向きな車種と言える。

そもそもブレーキの付いていないピストバイクに乗り、直線と急カーブを繰り返すクリテリウムで競い合おうなどとは、なかなか思いつかないアイデアなのかもしれない。

しかし”不向き”とされるピストバイクだからこそ、加速・減速・コーナリングなど、全てのコントロールスキルが走者に求められる。スピードだけでなく”技の魅せ合い”も繰り広げられることが『sfiDARE CRIT』の醍醐味と言えるだろう。

過去にはケイリン世界王者も参戦

『sfiDARE CRIT Vol.3』(2018年)

現役競輪選手でもある児玉利文氏、トラック競技でも活動していた児玉和代氏。そんな児玉夫婦が2017年ごろからスタートさせた『sfiDARE CRIT』。

2023年現在では、年に4回ほどのレースが岐阜を中心に各地で開催されている。設けられた基準を満たしたピストバイクとヘルメットさえあれば、競技者ライセンスや競技経験がなくても誰でも参加が可能。

『sfiDARE CRIT Vol.3』(2018年)

過去には日本トラック競技ナショナルチームの橋本英也や、スプリントやケイリンの元世界チャンピオンであるテオ・ボスも参戦している。

世界トップで活躍する選手から競技経験のないライダーまで同じレースを走ることができる、貴重な舞台なのだ。

ピスト・クリテリウム『sfiDARE CRIT Vol.3』橋本英也が師弟対決を制して優勝!テオ・ボスの結果は?

「世界選手権 in 横浜」への切符を賭けた予選大会

8月12日に京都府亀岡市の「サンガスタジアム by KYOCERA」にて開催された『sfiDARE CRIT vol.12 – 2023 KYOTO NIGHT CRIT – 』。

Jリーグチームのホームスタジアムの敷地内にある駐車場と周辺の公道を繋ぎ、1周約500mの特設コースが設置された。

そして今回の『sfiDARE CRIT』は、9月23日に横浜の日産スタジアムで開催予定の『YOKOHAMA CRIT』に向けた予選大会。京都でのレースを上位で駆け抜けた参加者たちのみ出場できる舞台だ。

また9月23日と翌日の9月24日(土日)には、同会場にてサイクルメッセンジャーの世界大会『CMWC 2023 Yokohama』が開催される。『YOKOHAMA CRIT』はその1コンテンツとして開催されるのだ。

↑サイクルメッセンジャーの日本大会『JCMC 2022 Yokohama』にて開催された『YOKOHAMA CRIT』。橋本英也もオープン参加している。

(左)『CMWC 2023 Yokohama』の実行委員長(右)スペインから来たメッセンジャー

予選大会となる『2023 KYOTO NIGHT CRIT』にも国内外から複数のサイクルメッセンジャーたちが参戦した。

(左)スコットランドから来た元メッセンジャー(右)名古屋のメッセンジャー

それでは8月12日に開催された『sfiDARE CRIT vol.12 – 2023 KYOTO NIGHT CRIT – 』の模様をレポートしていく。

レースレポート

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