「KEIRINグランプリ2021」出場選手インタビューとしてお届けする松浦悠士選手へのインタビュー記事。前編へ続き、後編では松浦選手のキャラクターを深掘りしつつ、松浦選手から見たナショナルチームについてを訊ねた。
本気なら、いくらでも道はある
Q:前編で、競輪の魅力のひとつにはスピードがあると語られていました。小さいころに下り坂を自転車で疾走する感じが好きだったと記載している記事もありますが、元々スピード好きみたいな感じだったのでしょうか?
スピード出すのが楽しいという感覚は、中学生ぐらいからですかね。最初は「下り坂の時にスピードを出すのが楽しかった」というだけだったのですが、実際に自分で自転車を漕いで、こんなにスピードが出るのか、と高校生の頃に思いました。バンクの中でやるのはキツイですけど、捲りにいく時とか、かわしにいく時とか、スピード差が出る瞬間は今でも気持ち良いです。
Q:高校では自転車部に所属されていましたよね。
中学までは水泳、高校には水泳部が無かったので「楽しそう」と思い自転車部に入部しました。下りなどのスピード感は楽しいですけど、下り坂を下るためには、登らないといけないんで、登りがとにかくキツかったです。
平地でのスプリント勝負は楽しかったですけど、高校生の時はバンクになかなか入れないので、ほぼロード練でした。
Q:競輪選手になろうと思ったきっかけは何でしょう?
顧問の先生が、競輪選手という選択もあるよと教えてくれて。「高校からでもなれるんですか?」と。
選手という職業があることは知っていたのでですが、高校2年生の時に「選手になろう」と思い、元選手の方に紹介していただいて、師匠と放課後の夕方に一緒にバンクで練習させてもらった感じです。
Q:競輪学校を受験する前に、そういった環境を自分で整えて練習されていたんですね。
あまり知られていないかもしれませんが、選手になりたいと思えば、選手会に連絡すれば受験もちゃんとできます。結局、本気かどうかです。選手になりたいという気持ちがあればしっかり自分で調べて動くと思うし、なんとなくやりたいだけなら「どうやってやるんだろう」と考えるだけで終わってしまいます。
Q:それでも、本気で「成ろう」と決めてから、実現させることはすごい事だと思います。
高校生の時にはトラック競技が好きで、そして元々勝負ごとがとても好きでした。自分が好きなことして生活できるんだったらこれほど良いことはないな、と思いました。
競輪選手になってお金を稼ぎたいとか、有名になりたいとかはなかったですね。目指し始めたときは「自分の好きなことをやっていきたい」というのがきっかけです。