本気なら、いくらでも道はある

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トラック競技への未練は無い?

Q:「トラック競技が好きだった」と言っていましたが、トラック競技への未練ありませんか?

そもそもトラック競技で勝てるならいいですけど、勝てないんで(笑)。勝てないことに興味が湧かないというか・・・・。

競輪をやっていく上で、競技に出るっていうことは自分のやりたいことと少し離れてしまいます。もしトラック競技で世界を目指せるレベルだったら興味を持てたと思うのですけど、自分の能力的には全然届かないので・・・。

漢字の競輪とカタカナのケイリンが違うのは、自分が一番体感しています。大きいギアやカーボンフレームになった瞬間に人並みになっちゃうんですよ。

Q:そんな中でも脇本雄太選手や新田祐大選手など、競技と競輪を両立している選手もいます。選手目線では競技をやっている競輪選手をどう見ていますか?

アジズルハスニ・アワン Mohd Azizulhasni Awang (MAS), 脇本雄太 Yuta Wakimoto (JPN), Men's Keirin Quarter-Final AUGUST 8, 2021 - Cycling : during the Tokyo 2020 Olympic Games at the Izu Velodrome in Shizuoka, Japan. (Photo by Shutaro Mochizuki/AFLO)

脇本雄太

新田祐大 Yudai Nitta (JPN), Men's Keirin 1st Round AUGUST 7, 2021 - Cycling : during the Tokyo 2020 Olympic Games at the Izu Velodrome in Shizuoka, Japan. (Photo by Shutaro Mochizuki/AFLO)

新田祐大

ナショナルチームは環境が整って来ているので、そういう意味では競技の部分に力を入れ易くなったと思います。日本の競輪に出ずに競技にしっかり打ち込む事で、もちろん「強いな」とライバルとしては思う部分もあります。

ただ、彼らがいない間はS級S班として日本の競輪を盛り上げていかないといけません。それはお互いの役目というか、「持ち場でしっかりやれば良いんじゃないかな」と思ったりします。

世界を目指すことが出来る選手は、しっかり目指して欲しい。

トラック競技で、世界でメダルを獲って、それからメディアにどんどん出て行くっていうのがやっぱり主流だと思います。それがきっかけで日本の皆さんに競輪を知ってもらえたら、という想いもあります。

Q:グランプリでは、応援してくれるファンにどんな走りを見せたいですか?

僕も熱くなりますけどお客さんも熱くなると思います(笑)。その中で、僕は熱くなり過ぎず、冷静に走る姿を見て欲しいです。“勝ちたい勝ちたい”と思いすぎるとなかなか勝てないので、自然体でいつもの僕らしい姿を見せられたらなって思っています。

Q:気持ちが入りすぎると空回りするという、そういうことでしょうか?それはG1の決勝でも一緒ですか?

僕は「勝ちたい気持ちが強すぎると、仕掛け所を逃しちゃうタイプ」なんで。本当に先のことを何も考えずに「今のレースで自分にできることを精一杯頑張る」。そんな感じの精神状態で臨めたら良いかなと思います。

Q:勝ったら、そういう精神状態で臨めたということですね?

そうです、負けたら緊張したということ(笑)

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