和田健太郎が初出場、そして初優勝を遂げた『KEIRINグランプリ2020』。

強者たちの意地と意地のぶつかり合いは地元の声援を受けた和田に軍配が上がったが、2着になった脇本雄太、そして初優勝を狙っていた東京オリンピック代表に内定している新田祐大、ナショナルチームのコーチたちなどレースを行う、観るに辺り、それぞれの想いがあった。

レース後に脇本、新田の両選手、そしてナショナルチームのブノワ・べトゥ短距離ヘッドコーチ、ジェイソン・ニブレット短距離コーチにレースを観た感想を語ってもらった。

誰もがあの動きを待っていた…

ブノワコーチは天を仰いだ。

「残念で仕方がありません。どうして脇本があんなに早い段階で勝負に出てしまったのか・・・誰もがあの動きを待っていたと思います。脇本には平原という強力な盾があったのに・・・新田も自分から何もせずに終わりました。このために厳しい練習を積んできたので、とても残念です。

国際大会でタクトを振るう指揮官は落胆した表情で語る。この大会に向けて仕上げてきた。肉体的な面は問題ない、精神的な部分が問題だったのか。

「それ以外にありません。競技の場合ならば我々がきちんとスイッチを入れてあげることも出来ますが、競輪場では一人なので、自分自身でこの問題は解決するしかありませんね。残念なのは負けたこともですが、彼らのコンディションが整っていたこともあり、今回は勝つ良い機会だったということです。」

そしてジェイソンコーチも落胆ぶりを隠せない。

「ブノワコーチと同じく脇本の仕掛けが早すぎるとは思いました。何故かはわかりませんし、その答えを持っているのは脇本しかいません。ただ、彼が身体的に強いことは今回のレースで分かったと思います。今回の結果はナショナルチームとして望んだ物ではありませんでしたが、レースの結果が全てですね」

我慢が勝敗の分け目

1/3 Page