各走者の役割とは?

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頭から突っ込むか、刻んでいくか?

現在の世界の走り方は「スタート直後から限界までスピードを上げて、それを出来る限りキープする」というスタイルが主流。選手たちの限界に挑戦するものだが、体調不調などがあればチームの誰かが脱落する可能性もある、諸刃の戦術だ。

一方、確実に狙ったタイムを出すために最初からスピードをコントロールし、目標タイムを刻んでいくやり方もある。

Qualifying / Men's Team Pursuit / TISSOT UCI TRACK CYCLING WORLD CUP V, Brisbane, Australia, クレイグ・グリフィン

このチームは、今どのような心理状態で走っているのか?温存しているのか、それとも好タイムを狙って攻めているのか?該当大会でのチームの目標によって走り方は変わってくる。

コーチそれぞれのタイム伝達方法

そしてそのペースは、主に各チームのコーチによって伝えられる。毎周を目標としているペースで走れているのか、それともペースが乱れているのか。それを伝えるやり方はコーチそれぞれ。

タブレットで伝える

Qualifying / Men's Team Pursuit / 2020 Track Cycling World Championships, 近谷涼 Chikatani Ryo, 今村駿介 Shunsuke Imamura, 窪木一茂 Kuboki Kazusige

近年、最も使われているのがこの方法。コーチが秒数付きの大きなタブレットを持ち、選手たちに見せる。それを見ることで選手たちは自分たちのペースを認識できるやり方だ。ソフト開発から行っているチームもある。

立ち位置を変える

Women's Team Pursuit/Final/2018-2019 Track Cycling World Cup IV London

コーチがスタートラインの延長線上に立ち、立ち位置によって目標タイムとの差を知らせる。目標タイムより選手たちが速ければスタートラインより進行方向(1コーナー側)へ位置をずらし、逆に遅ければスタートライン手前(4コーナー側)へと移動する。肩幅を1歩とすると1歩で0.1秒を現している。

よって選手たちがスタートラインを通過する際にコーチが4コーナー寄りにいれば設定タイムより遅れていることを示し、1コーナー寄りにいれば想定より速いペース、真ん中は作戦通りバッチグーといった状態だ。これはイギリスチームで良く見る光景でもある。

叫ぶ

Final / Women's Team Pursuit / TISSOT UCI TRACK CYCLING WORLD CUP V, Brisbane, Australia

高速で走る中、本当に聞こえているかどうかはわからないが、選手に向かって毎回叫ぶ。

ジェスチャーで伝える

2018-2019 Tissot UCI Track Cycling World Cup II Men's Team Pursuit

速くしろという仕草をするコーチ、逆にもう少し落とせというジェスチャーをするコーチなど コーチによっては淡々としている人もいるし、熱を持って毎回謎の言葉を叫んでいる選手もいる。

MoreCADENCEではプッシュアワードを行っているが、この種目のコーチの動きや熱の入れ方等も見所の一つだろう。

【結果発表】『PUSH AWARD 2019-2020』初代アワード受賞者が決定

前が見えるとやる気がUP!

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