準決勝、落とし穴
1組:新田祐大&河端朋之
準決勝は2組、各組3着までが決勝進出となる。組み合わせは1組目に新田と河端。2組目に脇本が入った。
日本選手が2人揃った1組目にはマレーシアからも2人が出走。日本にとってアジア内で最も注意すべき相手、2017年のケイリン世界王者アワン、そしてワールドカップ決勝へ進出経験のあるシャロームだ。
彼らが共に勝ち上がったことで、レースは1回戦のような展開とはならなかった。スタート後の隊列は、2番手にシャローム、3番手にアワン、そして4番手に新田、その後ろ5番手に河端が続いた。
その隊列は崩れることなくペーサーが待避する残り3周を告げるフィニッシュラインを通過。その直後最後尾6番手にいたアングスタサウイット(タイ)が一気に先頭へ出る。そこに反応したのは、3番手のアワン。そのアワンを追って日本勢2人が動く。アワンの後ろから新田、河端が上昇。しかし、河端が前に上がろうとしたタイミングで内側にいたシャロームが動き、河端と並走状態に。新田はそのまま先頭に上がったが、河端はやむを得ず後ろに下がる事となった。
先頭に新田、2番手にアワン、3番手ににシャローム、そして4番手に河端という順で残り1周を迎える。逃げる新田のスピードによって隊列は一列棒状。そして最終4コーナーで河端が追い込みを見せるが、そのままの順番でフィニッシュラインになだれ込んだ。
ゴール後、共に決勝に勝ち進んだマレーシアの2人は手を取り合っていた。そして4位でフィニッシュした河端は決勝進出を逃し、7-12位決定戦へ回ることとなった。
2組:脇本雄太
脇本が入った準決勝2組目。出走メンバーの実績だけを見れば、脇本が格上なのは明らかメンバー構成となった。しかし、その状況が脇本にとって大きなプレッシャーとなっていた。
スタート後、先頭から2番手の位置で周回をこなす脇本。残り2周で自ら動き出して仕掛けようとしたものの、前にいたチャオ(中国)が加速するタイミングと合ってしまい、並走を避けた脇本は一度後方に下がる。
そうした中、脇本は残り1周半で再加速し残り1周で先頭に立つ。そして、そこからは持ち前のトップスピードで後続を突き放し1着でフィニッシュラインを駆け抜けた。
「油断をしたわけではないが、失敗したレース」と準決勝を振り返る脇本。