自転車トラック競技短距離日本ナショナルチームメンバー、そして競輪選手の深谷知広選手が「自身が使用していた自転車フレームを使った復興支援のアイデア」を募ったことが話題になっている。

SNS上ではオークション、熊本競輪場へ展示、チャリティーグッズ販売など様々なアイデアが寄せられているが・・・本記事ではそもそもの「熊本競輪場は今どうなってるの?」というところにフォーカスしていこう。

熊本競輪場の現在

熊本競輪は昭和25年7月に開設。西暦で言えば1950年で、60年以上の歴史のある競輪場だ。長く熊本市一般財源に資金を繰り出し、市民生活の向上に貢献して来た一方、施設の老朽化などの課題も上がっていた。

そんな中、2016年4月に熊本地震が発生。震度7クラスの揺れが短期間に2度起こり、広域に被害をもたらした。熊本競輪場も被害を受けた施設の1つとなる。
地震でほとんどの建物が損傷し、自場開催ができない状況となった。

熊本競輪場はこれからどうなる?

場外車券販売は再開し、バンクの部分的な補修を行うことで地元選手が練習に使用することはできるようになった。だがレースを開催するためには路盤・路床など全面的な修理を行う必要があることから、再開の目処は立っていない。

しかし、熊本競輪場はこのまま廃止になる道を選ばなかった。
もともと老朽化していたこともあり、大規模改修を経た復活を計画中だ。

従来は500mバンクだったものを400mバンクに改修。売り上げが見込まれるGⅠの早期誘致を目指した選手管理棟の充実や、5000人の入場者を想定した改修も行う。また「防災拠点としての施設」、「(高校生をはじめとした)自転車競技者が活用できる施設」を目指した整備も行っていく方針。

参考:熊本市「熊本競輪場施設整備基本計画」

「試練をバネに」。
その熊本競輪場の生まれ変わりには、約29億円の費用が必要とされる。
竣工予定は2021年12月

復興支援と競輪選手

熊本地震が発生した直後から、競輪選手やファンによる復興支援が行われていた。ここでは熊本競輪場公式サイトの文面をそのまま引用する。

「日本競輪選手会熊本支部が震災直後から取り組んだ支援物資の受付と配布は、全国の競輪選手やファンの方々の支援のおかげで、広く被災者の皆さんにお渡しすることができました。

このことは、熊本競輪関係者すべての誇りとなりました。

また、熊本競輪サポーターズクラブの方々によるバンク内の除草活動や復旧に向けた義援金を贈ってくださったみなさま、本当にありがとうございました。」

引用:熊本競輪公式サイト

同年の6月に場外車券売り場が再開。

12月には金子貴志選手・中川誠一郎選手・深谷知広選手の3名が来場し、ファンと共にバンクを走るイベントを行った。

翌年2017年3月には、京都の藤木裕選手が、熊本の服部克久選手と松岡貴久選手を交えたトークショーを開催。

深谷選手のフレームは名古屋オールスターで展示予定

深谷選手の継続的な復興への思いは、次は8月の名古屋で形になる。

「オールスター競輪2019」は名古屋競輪場にて8月14日〜18日に開催される。

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