欧州へ逆輸入されたその歴史
Sixdayの起源については諸説ある。有力な説は最初の6dayレースは1889年、イギリス・バーミンガムにて開催されたのが最初というもの。当時はチーム戦ではなく6日間不眠不休、単独で1000マイルを走り切るレース形式であり、仲間内での賭け事として行われていた。
その後、1891年アメリカ・ニューヨーク州のマディソン・スクエア・ガーデンへと渡り本格化。サーカスや賭け事で有名な地域で盛り上がりを見せる。しかし、不眠不休の疲労と戦う為に興奮剤などの乱用が頻発する。レースの公平性や選手の体調を考慮し、1899年から2人1組のチーム戦へ。元々はイギリスで始まったイベントがアメリカへと渡り、そして逆輸入されてヨーロッパへ広まる事となった。
※トラック競技におけるマディソンの起源はこのSixdayイベントから来ている。
迫力ある種目たち
大会や開催場所・年によって種目は異なるが、基本的には下記の種目が開催されている。
- マディソン
- エリミネーション
- デルニー
- 200mフライングタイムトライアル
- ケイリン
- ポイントレース
- 女子オムニアム (スクラッチ・テンポレース・エリミネーション・ポイントレース)
- タレントカップマディソン(21歳以下+ジュニアの若手レース)
エリミネーションやポイントレースなど見応えのある種目が多く、開催場所によっては全長166mという極小ベロドロームというものもあり、そこで繰り広げられるスピードレースは凄まじいに違いない。
中でもデルニーはSixdayならではの種目。ケイリンでも見かけるデルニーと呼ばれるエンジン付き自転車をペーサーとして利用し、最初にゴールを通過した選手が優勝となる。いわゆるアシスト付き短距離スクラッチレースである。
Sixdayならではの魅力とは
Sixdayの魅力。それは爆音のクラブミュージックをBGMに、食事とお酒を味わいながら間近で何度もプロ選手を見れる事だろう。
前述した通り、全長166mという極小ベロドロームでツール・ド・フランスを走るようなトップ選手達による強烈なスプリントが観れる。トラック競技の選手はもちろん、マーク・カベンディッシュや2012年ツール・ド・フランス覇者のブラッドレー・ウィギンス、強豪ロードチーム「クイックステップ」の選手などロードレース界でのスター選手も大勢参加している。
また、大会ではVIP席や入場料を設けており、自転車競技において成功的なビジネスモデルとしても有名である。
1990年代に入ってからはシクロクロスの人気が高まったためヨーロッパ全体で人気は低迷したものの、オーストラリアや香港での開催を機に国際的な自転車イベントとして再び盛り上がりを見せ、現在も根強い人気を誇っている。過去には渡邊一成が選手として参加し、近年では日本人の観戦者も増えてきているという。