『世界選手権トラック2019』男子マディソンは、もはや笑うしかないカオスなレースであった。それを制したのはドイツ(ロジャー・クルーゲ/テオ・ラインハルト)。平均時速59,243kmで50km、トラック200周を走りきった。
2人1組で走り、10周ごとに設定されているポイント周回でポイントを獲得し(1着5ポイント、2着3ポイント、3着2ポイント、4着1ポイント)、積算ポイントが最も高いチームが勝利となるマディソン(集団を1周追い抜きした場合には+20ポイントが加算される)。この種目にエントリーしたのは全18チーム。残念ながら世界選手権へ日本チーム男子の出場は無し。
レースは序盤からハイペース・・・というか、ハイペース過ぎる形で進む。ほとんど、ずっとダッシュ。
その中でクラッシュせずに交代していく集団。まるでレースを走っている本人たちは水の上を流れる木の葉のように、石に当たらず、力強い流れに乗って進むかのようだ。
あっという間に10周、20周とレースは進んでいく。
優勝のドイツチームは時間の経過と共に1周、2周とメインとなる集団を追い抜いていき「もう十分」だと思った矢先、3回目の1周追い抜きを成功させる。
んっ?
3回目?
冗談だよね?と思ったら、本当でした(笑)
なんと優勝したドイツチームを含む計3チームが3回の1周追い抜きを成功させたのだ!
もはや周回は関係ないと言って良いだろう。1回だけでも難しいとされる1周追い抜きを3回成功させるとは・・・・・
レースは完全にドイツペースとなり、ポイント周回と3回の1周追い抜きで大量ポイントを加算。フィニッシュ時にはなんと105ポイントとなり、2位のデンマーク(84ポイント)を大きく突き放し、2年連続の世界チャンピオンとなった。3位はベルギーとなった(82ポイント)
もっと驚きなのが・・・・・ロジャー・クルーゲは前日にロードレースのUAEツアーを完走してからの強行出場。それなのにも関わらず世界タイトルを獲得している・・・・・・・怪物ですね。