何度も転び、それでも前へ
1着でゴールを駆け抜けた三谷竜生も表情は硬かった。落車が発生した事に気づいていたのか、心配そうに後ろを見やりつつ、勝利に歓喜するウィニングランは行わなかった。
平原康多は自力で立ち上がり、再び自転車へ跨がりゴールを目指そうとする。しかし前輪は歪み、スポークは飛び出しており、とても乗れる状態にない。
何度も転び、その度に顔を歪めながら起き上がり、必死にゴールを目指す平原康多。その姿に場内からは「がんばれー!!平原ー!!平原ー!!!!」と大声援が沸き起こった。
ゴール直前30m、なんとか自転車を担いでゴールする事ができる位置までたどり着き、最後は歩いてゴール線を超える。
観客へ向け一礼をするや否や、すぐさま担架で運ばれて行った。幸い怪我は大事無いとの事。
極限の戦いにはアクシデントが付きまとう。競輪、それは命を賭した戦いを繰り広げる選手達のドラマなのだ。