なぜ1戦へ出場しなかったのか?

一丸尚伍

Q:なぜパリのワールドカップ第1戦には出場しなかったのでしょうか?

オリンピックへ出場するポイントは、ワールドカップシーズンのトップ3回の結果が反映されます。なので、そもそも全部に出場するようなスケジュールを組んでいませんでした。ここ(カナダ・ミルトン)と、ドイツ・ベルリンはチームで戦い、ロンドン(第4戦)はオムニアムのみ出場とし、5〜6戦はチームパシュートで出場する予定です。なのでレースと、そしてレース後の回復の度合いを見ながら進めていく予定です。

Q:1年間ほど選手たちを見てきて、どれ程の可能性を感じましたか?

去年(中距離ヘッドコーチに)就任し、選手たちを見てきました。このチームには可能性があると私は信じています。でもまずはその可能性に選手たち自身が気づかなければなりません。まだチームの中には自分たちの可能性に気づいていない選手がいるといった状況です。一度スイッチが入れば大きな成長が見込めると思ってはいますね。

このチームでレースに出て1年しか経っていませんし、更に数人の新しい選手がチームに加わりました。これからのレースの中で自分たちの可能性に気づいて欲しいと思っています。

吉川美穂

Q:オムニアムについては?

男子と女子のオムニアムは日本チームの強い部分だと思います。ただ、昨シーズンは良い結果を残せましたが、まだオリンピックへのポイント争いが始まっていない中での表彰台だったことを忘れてはいけません。なので、オリンピックへ向けて本気になった各国の選手たちと戦い、ワールドカップと世界選手権を勝ち抜く必要があります。

同じミルトンで開催された昨年のトラックワールドカップ第3戦で活躍した梶原悠未は大会ポスターなどに大きく使われている

東京オリンピックでメダルを狙うならば、ここからが本番だと思っているので、これからスタッフも選手も、皆で努力していかなければならないと思っています。

Text : Mizuki Ida