2024年12月29日に行われた、女子競輪選手No.1を決めるレース『ガールズグランプリ2024』。このレースで7年ぶりに優勝した石井寛子(東京/104期)が、優勝賞金のうち300万円を寄付したことが発表された。

石井寛子が合計300万円を寄付

石井の寄付先は以下の3箇所。それぞれに100万円ずつ、合計300万円を寄付している。

調布市役所 調布市子ども・若者基金:100万円
春日部市役所 春日部市ふじ福祉基金:100万円
石川県令和6年能登半島地震災害義援金:100万円

石井はこれまでにも積極的に寄付を行ってきた選手のひとり。ガールズケイリン選手としても長年トップレベルで走り続けている選手で、2024年には通算600勝を達成している。

石井寛子選手が優勝賞金の一部を熱海&新型コロナ対策へ寄付

公営競技と社会貢献活動

公営競技である競輪は、社会貢献と切っても切り離せない関係にある。

競輪の施行者は競輪事業による収益を地方財政や社会福祉に利用し、加えて売上の一部をJKAの競輪振興部門に交付。JKAは全国各地の施行者から受けた交付金をもとに補助事業への補助を行なうため、「施行者」「JKA」それぞれの立場から社会貢献活動を行う仕組みとなっている。

出典:競輪/オートレース制度の仕組み(経済産業省)

「競輪業界」としてだけではなく、選手個人としても寄付などの活動をする者は多い。

公営競技とは、社会貢献活動にお金を使うことになっているからこそ「ギャンブル」を公的に行える、ということでもある。競輪選手たちは養成所時代に、そういった仕組みの上に成り立つ「競輪」の、選手としての振る舞いを教え込まれている。

KEIRINグランプリ2022優勝の脇本雄太が赤十字へ寄付

ヤンググランプリ2021の後に寄付を行った小原裕太

競輪の売り上げはここ数年右肩上がりとなっており、それだけ社会貢献や地方財政に寄与する金額も上がっていると言える。毎年のように災害が起きるこの国で、選手たちの社会貢献への意識も強い。

競輪のスポーツとしての面白さだけではなく、こういった側面も知ることで、新たな視点が生まれるかもしれない。

【令和6年能登半島地震】競輪関係3団体が2000万円を寄付

【ガールズグランプリ2024】「80歳まで出続けます!」石井寛子が7年ぶりに優勝 佐藤は最後に届かず2着