121期早期卒業の中野慎詞。S級2班への特別昇級をかけた青森F1決勝戦が4月14日に行われ、見事優勝。無傷の18連勝での特別昇級となった。

特別昇級(特別昇班)とは?

通常、競輪選手は年2回の級班入れ替えによって選手としてのランクが変動するが、それ以外の機会に級や班をランクアップする方法が『特別昇級』。これはA級1・2班の選手がS級2班に昇級、あるいはA級3班の選手がA級2班に昇班できる制度だ。

条件は「完全優勝(開催中全レース1着での優勝)を連続3回すること」または「レインボーカップ(A級1・2班と3班それぞれのトップ9が特別昇級をかけて競う年2回のレース)に出走し1着から3着となること」。

中野はデビューから9連勝(完全優勝を3回)してA級2班に特別昇班し、さらに9連勝してS級2班に特別昇級した。

過去に18連勝(6回連続で完全優勝)を達成しS級に特別昇級した選手には、ナショナルチームの先輩である深谷知広寺崎浩平がいる。

レースレポート

残り1周半で4番手の位置にいた中野。前を走る櫻井に大きく車間をとって臨戦態勢に。

コーナーを駆け降りるスピードを使い、残り1周から猛ダッシュをかける中野。

そのまま先頭に躍り出て、最後まで逃げ切って1着となった。

車番 選手名 着差 上り 決まり手 H/B 個人状況
1 1 中野慎詞 11.0 逃げ HB
2 7 照井拓成 3/4車身 11.0 マーク
3 4 伊藤奎 1車身1/2 11.0
4 3 山下貴之 大差 11.3
5 2 神山尚 1/2車輪 11.4
6 5 櫻井丈 3/4車身 11.2
7 6 寺林正秋 2 車身 12.0

中野慎詞コメント

嬉しい気持ちとホッとした気持ちですね。これからはS級でもっともっとハイレベルなところで戦うことになるので、今日は喜んで、しっかり休み、また明日からしっかり強い選手になれるように練習していきたいです。

早期卒業しているから「18連勝は絶対」というのもありましたし、何より自分が18連勝でS級にあがりたいという気持ちが強かったです。ラインの先輩たちが大丈夫だって言ってくれたので、楽しもうと思って走れました。

Q:どのようなレースでしたか?

ペースがあがらなかったらカマシで、あがらなかったら捲りと思っていました。ペースあがらなかったし、カマシでライン3車で決められたことはよかったと思います。

Q:今後の目標は?

僕が選手になったきかっけが、師匠(佐藤友和)がG1優勝する姿を見たことだったのでそれが最大の目標です。そこに行き着くまではたくさんのステップを踏んでいかないといけないので、目の前のことを1つ1つこなして、しっかり競輪を学んでいきたいです。

中野慎詞プロフィール

2019全日本トラックでは早稲田大学所属として新田祐大・河端朋之に混じり表彰台へ。その後ナショナルチームに所属、日本競輪選手養成所へ入所。

2021全日本トラックではスプリント予選200mFTTで他のナショナルチームメンバーを抑え9秒799でトップになるなど、養成所での訓練を経てさらにパワーアップ。早期卒業の認定を受け、2022年1月よりプロ競輪選手デビュー。

幼い頃、想い描いたゴールは頂点・中野慎詞インタビュー