2023年5月2日からG1レース『日本選手権競輪(競輪ダービー)』が開催される平塚競輪場。昨年(2022年)は年末に開催される競輪界最大のレース『KEIRINグランプリ』が実施されたように、大きな開催がたびたび実施される競輪場だ。

この記事では平塚競輪場を楽しむための3つの最新情報をご紹介する。

新レストランと名物店員

1つ目の最新情報は「場内レストラン」。2023年4月にリニューアルオープンした「七福」と、2022年9月から働き始めた名物店員のいる店「たかはら」をご紹介する。

新レストラン「七福」

ご紹介する1軒目は「七福」、2023年4月に新装開店したばかりの平塚競輪場の新しい「顔」だ。

「テーマは『おいしい湘南』。地元の魚や野菜を、競輪場で楽しんでいただきたいんです」と話すのは、マスターの相原伸美(あいはらのぶよし)さん。3月まで湘南平のレストラン「Flat」のシェフを務めており、従来あったお店を引き継ぐ形で、新コンセプトの「七福」をオープンした。

相原伸美さん

メニュー表には良い意味で「競輪場っぽくない」メニューが並ぶ。中には相原さんの前の店「Flat」の人気メニューだった「湘南クリームソーダ」や、「場内に無料のコーヒーもあるけど、エスプレッソを飲みたい人もいるでしょうから」と提供するコーヒーなども。

最大の特徴はお食事メニュー。近隣で獲れた新鮮な食材がふんだんに使われている。

「知り合いの絵描きに描いてもらった」というおしゃれな看板

「地元の農家さん、魚屋さんが持ってきてくれる食材を使っています。無農薬野菜や旬の食材など……素材にこだわっていますよ。美味しいものを、そのまま食べていただきたい」

定番のアジフライひとつを取っても、新鮮な刺身用のアジを使用。看板メニューのしらすピザは、トマトソースとしらすが意外なマッチを魅せる一品だ。

トッピングの大葉が爽やかなアクセントになっているが、「これからバジルが採れてくるから、そうなったらバジルになると思いますよ」とのこと。地元で、今どんな野菜が採れているかを紹介する場にもなろうとしている。

また競輪場メシ定番の「もつ煮」も、ここでは一味違う。

「競輪場のご飯って、どの店でもたいていもつ煮定食がありますよね。お客さんがもつ煮がお好きなら、ちょっと違ったものを出したくて」

七福のもつ煮は味噌煮込みではなく、もつカレー。粉からブレンドしているこだわりの品だ。

もつはしっかり煮込まれて柔らかく、カレー自体も食べやすい辛さなので、お子様なども抵抗なく食べられそう。競輪場メシに馴染みのない方にこそおすすめしたい。

元選手がおもてなし「たかはら」

2軒目にご紹介するのは場内レストラン「たかはら」。ところ狭しと並ぶメニューがいかにも「競輪メシ」という感じ。

地元選手のグッズも

そしてこのお店に2022年9月から勤務しているのは、元競輪選手の吉田輪太郎さん。練習中の事故で後遺症が残り、約2年の試行錯誤の末、選手引退となったのは2022年6月だった。

吉田輪太郎さん

「選手時代からたかはらさんにはお世話になっていました。練習後にご飯を食べたり、先頭誘導員の仕事で来場した際に出前をお願いしたり。引退となった時に声をかけていただいて、働くことになりました」

飲食店での勤務経験は、競輪選手になる前のアルバイト程度。しかし今では山のような種類の料理を「ほとんど作れるようになりました」と話す。

吉田さんの主な担当メニューはラーメン。取材中にも「ラーメンお願いします!」と呼ばれるといそいそと厨房へと戻っていく。元競輪選手の大きな体が細々とした作業をしている様子はなんだかほほえましい。

競輪場にやってきたお客様のほか、練習後の選手や関係者などもこの店の常連。お客様のために腕を振るう吉田さんは、2022年末に平塚競輪場で行われた『KEIRINグランプリ2022』のおびただしい量の注文もこなしている。

「でも、天ぷらはまだできないんです。火加減が難しくて……だけど天ぷらを食べられるのはこのお店くらい。ぜひ食べてみてください」

そう勧めてもらった天ぷらは、抹茶塩と共に提供される揚げたての品。種類は半熟卵やかき揚げ、えび、イカ、ちくわ、ピーマンなど。かき揚げの玉ねぎの甘さが印象的だった。

「お客様の期待に応えられるような料理を作れたらいいなと思っています」

元競輪選手は、場所と方法を変え、現在もお客様を楽しませている。名物店員に会いに訪れてみては?

イルミネーションと噴水の演出がグレードアップ

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