頭から突っ込むか、刻んでいくか?
現在の世界の走り方は「スタート直後から限界までスピードを上げて、それを出来る限りキープする」というスタイルが主流。選手たちの限界に挑戦するものだが、体調不調などがあればチームの誰かが脱落する可能性もある、諸刃の戦術だ。
一方、確実に狙ったタイムを出すために最初からスピードをコントロールし、目標タイムを刻んでいくやり方もある。
このチームは、今どのような心理状態で走っているのか?温存しているのか、それとも好タイムを狙って攻めているのか?該当大会でのチームの目標によって走り方は変わってくる。
コーチそれぞれのタイム伝達方法
そしてそのペースは、主に各チームのコーチによって伝えられる。毎周を目標としているペースで走れているのか、それともペースが乱れているのか。それを伝えるやり方はコーチそれぞれ。
タブレットで伝える
近年、最も使われているのがこの方法。コーチが秒数付きの大きなタブレットを持ち、選手たちに見せる。それを見ることで選手たちは自分たちのペースを認識できるやり方だ。ソフト開発から行っているチームもある。
立ち位置を変える
コーチがスタートラインの延長線上に立ち、立ち位置によって目標タイムとの差を知らせる。目標タイムより選手たちが速ければスタートラインより進行方向(1コーナー側)へ位置をずらし、逆に遅ければスタートライン手前(4コーナー側)へと移動する。肩幅を1歩とすると1歩で0.1秒を現している。
よって選手たちがスタートラインを通過する際にコーチが4コーナー寄りにいれば設定タイムより遅れていることを示し、1コーナー寄りにいれば想定より速いペース、真ん中は作戦通りバッチグーといった状態だ。これはイギリスチームで良く見る光景でもある。
叫ぶ
高速で走る中、本当に聞こえているかどうかはわからないが、選手に向かって毎回叫ぶ。
ジェスチャーで伝える
速くしろという仕草をするコーチ、逆にもう少し落とせというジェスチャーをするコーチなど コーチによっては淡々としている人もいるし、熱を持って毎回謎の言葉を叫んでいる選手もいる。
MoreCADENCEではプッシュアワードを行っているが、この種目のコーチの動きや熱の入れ方等も見所の一つだろう。