俺は稼いでGT-Rを買う!

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最短ルートはS級特昇

「競輪選手養成所へ入る前から『特別昇級でより早くS級に上がりたい』と考えていました。S級じゃないと、こういう車は似合わないと思っていましたから。GT-Rに乗る最短ルートはS級選手になって勝つことだ!と、思いを抱いていました」

中野慎詞, 第121,122回生 第2回記録会

競輪選手候補生時代、特に優秀な成績の候補生へ与えられるゴールデンキャップ獲得時

ただ競輪選手になるだけでなく、トップ選手へ一気に登り詰め、そしてGT-Rを手に入れよう。そんな野望を抱いて競輪選手養成所へ入所した中野慎詞であった。ではランドクルーザーは?

「ランクルも元々好きで、乗りたい車でした。新型が発売されると知り、今オーダーをしないと絶対に買えない……と思いました。当時はまだ候補生であったものの、今オーダーをすれば早期卒業したタイミングに丁度納車されるな、と。

オーダー時点で早期卒業は決まっていませんでしたが、“俺は絶対に早期卒業する!絶対に稼ぐ!”と心に決めていたんです。

しかし、いざ早期卒業を決めたものの、新型コロナの影響で超長納期になってしまいました。卒業後、車が必要だけどランクルはいつ来るかわからないので、家族に借りた車などでしばらく過ごしていました」

競輪と国際舞台での活躍に期待大、中野慎詞&太田海也が早期卒業・日本競輪選手養成所121回生

同時に早期卒業をした太田海也選手と。共にパリオリンピックを目指す。

現行の300系ランドクルーザーは、発売されるやいなや「最長5年」とも言われる超長納期化が話題となった。これはコロナ禍に端を発する世界的な半導体不足の影響と、世界中が待望したランクルの新型という事情もある。

このような背景により予定が狂ってしまったが、中野慎詞はデビュー戦も完全優勝、そこから連勝を重ねに重ね、見事S級への特別昇級を決めた。

早期卒業の中野慎詞がデビュー戦で完全優勝「夢見た舞台へ立った」

デビュー戦で優勝を決めた瞬間(白1番車が中野)

「S級に特別昇級を決めた時に、それまでに獲得してきた賞金額とかを振り返ったら『あれ?GT-R買えるんじゃ?』と思いました。もちろん一括ではなく、ローンでの話ですけど。

それに“GT-Rはもう生産されないらしい”という話も聞き、なおさら今買わないと2度と買えなくなると思い。そこでGT-Rに憧れるきっかけになった地元のディーラーへ聞いてみました。あの“君みたいな人が買える車じゃない”と言われたディーラーです。

そしたら、ちょうど中古が1台あって。これはもう買うしかない、と。3年越しにリベンジを果たしましたよ(笑)」

計画的?無計画?

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