理解する/されているからこそ最後は「自己中」で良い
選手の仕事はレースで走り、勝つこと。
勝てば全てが報われるし、厳しい書き方になってしまうが、負ければ全ては無に帰す。そういった「1」か「0」なのがスポーツの世界だ。HPCJCが発足し“チームとして世界に挑む”体制が出来た現日本チーム。選手は最後のアンカーとなって結果を残す役目を担う。
結果を残すためには、出来ることは何でも行い、活用できる人、物は何でも活用する。それが選手としての責任を果たすための心持ちだと脇本は語る。
「些細なことも全部言ってみる。『これが欲しい』とか『こういう方向ってどう思う?』とか。自分が強くなれると思うなら、それは全部吐き出さないとなんです。頼れるスタッフがいますから、利用していかないと。言い方は悪いかもしれないけど、スタッフはそのためにいます。選手がメダルをとるための基盤となっている人たちだから、とことん利用して自分が強くなる。そう思うのは大事だと思っています。
ブノワコーチは『俺たちは使われてなんぼだ』と言っていました。
最終的に大会では、自分のことだけを考えて行動します。それ以外の場所なら機材を運ぶなど率先して行いますが、競技場に入ったら、その瞬間から“自己中”です。コーチから『最低限これだけは守って』という話はされるので、それを守ることはしますが、それ以外は自分中心で勝つことだけに集中します」
その脇本のスタンスはHPCJC内で完全に理解されている。お互いが信頼し合い、理解しているからこそ出来ることがある。それが日本チームの強みとなっている。
2016年にブノワコーチが来日し、HPCJCが立ち上がり、一歩一歩進んできたチームJAPAN。
東京2020を経てさらに成熟したチームは今後どういった活躍を我々に見せてくれるのだろうか。
第2弾はHPCJC×ブリヂストン。その開発秘話に迫ります。