2021年10月20日より、フランスのルーベで開催される『2021世界選手権トラック』。東京2020オリンピックでのメダル獲得を目標とした5年にわたる戦いが終わり、新しい日本ナショナルチームの2024パリに向けた船出となる。

東京オリンピックのため、小林優香とともに戦ってきた太田りゆ。パリを目指す世代の中では、戦歴が長い部類に入る。だからこそ感じた、オリンピックにおける「ぶちのめされた感」とは?世界選手権直前の心境を伺った。

世界のレベルは急上昇

Q:世界選手権の出場種目は?

スプリント・チームスプリントの予定と言われています。

Q:世界選手権は、太田選手にとって久しぶりの「世界のガチ勢」が集まる大会です。

1年半ぶりくらいになりますね。オリンピックを見る限り、かなりレベルが上がっていると感じます。やっと「戦える」と思えるタイムになったのに、バコーン!とぶちのめされた感じです。心のダメージがすごすぎました。

Q:オリンピックで精神的ダメージを受けた、と。

はい、私はそうでした。「まじかぁ……」となりました。

自分もやってきたことだし、自分と一緒に走ってきた人たちだから、あれがどれだけすごいことなのか、よくわかります。「私もできそう!」みたいな軽いノリで見ることはできなかったです。

Q:一番衝撃を受けたのは?

やっぱりハロン(スプリントの予選、200mTT)のタイムです。ショッキングでした。対戦になってしまえば「この子はこういう走りをするな」というのは大体読めるし、実際ほぼその通りで、「みんな走り方が変わったわけじゃない」と分かるんです。しかしタイムは大幅に変わっていましたね。

太田りゆ目線「東京オリンピック女子ケイリン」

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