2021年5月中旬に実施された『TISSOT UCIネーションズカップ』第2戦・香港。今季最初の国際大会、そして帰国後の隔離期間を経て、選手たちは何を思うのか。
ある選手は東京オリンピックのリザーブとして、ある選手はパリオリンピックへ向けての試金石として出場した。男子スプリント、男子ケイリンに出場し、国際大会デビューを果たした山﨑賢人(チーム楽天Kドリームス)選手に国際大会で感じたこと、経験したこと、隔離期間中の様子、これからの意気込みなどを伺った。
変わらない日常だった隔離生活
Q:隔離はどうでしたか?
自由がなくて嫌だなと思います。
Q:何かいつもと変わったことなどしましたか?
いつもより時間はありますが、特に変わったことはしていないですね。 本を読むか、映画を観るか、それから、次どのようなレース用鉄のフレームを作ろうか考えたり。まあそんなに時間が掛かりませんが・・・・・あとは家の掃除とかです。
Q:本当にいつも通りなんですね(笑)
はい。
悔しい結果。そしてNINJA!な壁走り!?
Q:香港のレースについてお聞きします。まずスプリントについてです。降格になっていますが、何があったのでしょうか?
※山﨑選手は準々決勝で降格となり、勝ち上がれず
ラスト1周を過ぎて、先頭を走っていました。その後に、内側から攻められ、自分は外から内少し入った時に相手に当たってこともあり、走行妨害行為とみなされて降格となりました。お互い落車はしなかったのですが・・・・・内側を開けてはいけないのに開けてしまいました。
Q:その時の気持ちは?
終わったことは変えられないし、自分以外は勝ち上がったし、やっぱり悔しいですね。ただ、凄く勉強になりました。
Q:壁を走っている動画を、深谷知広選手がツイートしていましたが・・・
ケント君、、完全に壁走ってたよね🤣 pic.twitter.com/l8edoOd6u9
— 深谷知広 (@tmhrfky) May 12, 2021
壁、走っていましたね(笑)。あれは練習中だったのですが、コーナーの出口で壁に吸い込まれていきました。
自分としては「壁に突っ込んだなー」位だったのですが、映像で見たら壁を走っていたので「結構危なかったんだな」と思いました。ちょっとギリギリを走り過ぎて・・・・あのバンクは上に吸い込まれる感じがあるんですよね。
PDCAサイクルによるスピード向上
Q:因みに、ご自身としてのタイムの評価は?練習の成果など感じますか?
スプリントで勝ち上がるには予選で良いタイムを出さなければならないと深谷(知広)さんから聞いていました。それで様々な人の駆け方、ダッシュに入るタイミングなど、現場でも映像でもずーっと見ていました。
それを元に自分の駆け方と擦り合わせて、良くないところが見つかってきているといった感じです。
Q:オリンピックテストイベントの時に最高タイム(9秒656)を出していますが、今回のタイム(9秒817)との違いは?
慣れやバンクの違いはあると思いますが、香港大会では計測開始時にスピードを上げきれなかったので、おそらくその影響があると思います。タイムが安定していないので、まだまだだと思います。
Q:最近、急に速くなっていますが、その要因は?
そうですね。急にタイムが出てますが、その要因は・・・・駆けおろすまでのスピードとライン取りだと思います。
その要因でここまで変わるかは分かりませんが、これまでとは違って、スタートからどういう風にいって、ここから上に上がって、ここからスピードを上げて・・・と練習をしていって、考えて、一番しっくりくる感覚が見つかってタイムが出た形です。
Q:「上手くいく時の感覚」みたいなものはあるんでしょうか?
良い時は200mのスタートラインにスピードを上げ切って突っ込めているので、いい意味で「頑張って無い」みたいな感じがあります。ペダルを踏めているという感覚もなくて、脚が回っていて、スピードも出ていて、ラインを意識してさっと回せているというか、気持ちよく走れています。
Q:上手くいっている時は苦しくないということでしょうか?
計測中や終わった後もキツイですが、やっぱりトップスピードに持っていく段階が一番キツいです。計測が始まったら、後はラインを意識して、体力のタンクが0になるように出し切るだけですね。メーターは必ず「0」になっています。
フルインタビューはチーム楽天Kドリームス チームサイトにてご覧ください。