2020年11月に行われた『2020(第89回) 全日本自転車競技選手権大会 トラック・レース(エリート・パラサイクリング)』の女子ケイリンで優勝し「日本一」の称号を得た梅川風子。実は彼女は、学生時代にスピードスケートでも「日本一」になっている日本屈指のアスリートでもある。

スピードスケートから転向し、2017年にガールズケイリン選手としてプロデビュー。翌年の2018年には最も強いガールズケイリン選手の決定戦であるガールズグランプリに出場し、今年のガールズグランプリ2020で3年連続の出場となる。

本記事では梅川選手のバックボーン、ナショナルチームに入ったいきさつ、そしてガールズグランプリ2020の意気込みなどをお伝えする。競輪では順調に躍進を続け、加えて競技という新たなフィールドに飛び込む向上心。さぞかし強靭な精神の持ち主かと思いきや、意外にナイーブな一面も・・・?

長野と競輪

梅川風子

Q:競輪や自転車競技との出会いはいつ頃ですか?

小さい頃、KEIRINグランプリの時にだけテレビで競輪が流れていました。その映像が目に焼き付いています。「1年に1回、年末にしかやっていない自転車のイベント・・・なにこれ?」って感じでした。あと、競輪場って外を広く囲まれていて、中を見る機会って無いですよね。それもあったと思うのですが、他で見たことのない、年に1回しか見ることのない、あのバンクの形に興味津々でした。

「競輪」というものを知ったのは高校以降だったと思います。それこそガールズケイリンが始まった頃ですね。

Q:ご実家は長野ですよね。

はい。県が教育に力を入れている関係だと思いますが、実は長野には競輪場がありません。競馬も競艇もオートレースもない、公営競技なし県です。競馬好きの人は山梨まで買いに行き(住んでいる場所によるが)、KEIRINグランプリになるとバスが出て他県までみんなで車券を買いにいく・・・そのような状況です。だから私の選手応援団みたいなものもないですし、競輪選手としてはちょっと寂しいですね。

Q:そう考えると、競技で活躍すれば長野でも名が売れる、ということでしょうか。

それはあると思います。競技で成績を出すしかないです。

覚悟を求められた、ナショナルチーム加入前

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