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ナショナルチームでの日々

Q:では少しふざけた質問を。「ナショナルチームあるある」みたいなものってありますか?例えば「これを言ったらブノワコーチを怒らせる」一言とか。

ブノワコーチは頭が良いので、すごく学習してくるんですよ。思った以上に日本語もわかるんです。だから自分は余計なことは言わなかったです。たまにその”余計なこと”を日本語で言う人がいますが、そのうち理解されて怒られるんじゃないかと(笑)

Q:もうわかってるかもしれないですね(笑)ブノワコーチって、最初は「フランスから怖いおじさんが来た」という感じだったんじゃないかと思いますが、雨谷選手はどんなステップで打ち解けていったんでしょうか?

ブノワコーチは選手の性格に合わせて対応を変えていると思います。自分なんかは怒られたことはほとんど無かったし、僕や河端さんには余計なことをあまり言わなかったです。だから自分にとっては、普段は「ふざけたおじさん」でしたね。最初から親しみやすかったですし、ジェイソン(・ニブレット短距離コーチ)はそれ以上に友達度が高かったですね。

Q:では、ジェイソンコーチとの思い出話を聞かせてください。

ジェイソン・ニブレットコーチと雨谷選手

ジェイソンとは飲みにもいったし、合宿中には買い物にも行っていました。大会中はちゃんとコーチですけど、普段は友達みたいな間柄でした(笑)

自称「ノミの心臓」だけど・・・?

Q:ジェイソンコーチとは英語で会話するんですか?

自分は全然英語できないですけど・・・なんとかしてます。(デニス・)ドミトリエフと(シュテファン・)ボティシャーと3人でご飯とかにも行くので、問題なく付き合って行くことはできます。

左からマティエス・ブフリ、シュテファン・ボティシャー、シェーン・パーキンス、デニス・ドミトリエフ

深谷には「海外勢と一緒にご飯行くとかスゴい」って言われるんですが、言葉が通じなくても自分にとって苦にならないです。

でも、ボティシャーにはポカンとした顔をされますね(笑)英語が出来ないなりに、一生懸命話すんですけど「こいつ何言ってんだろう・・・」って顔です。

Q:その話を聞くと雨谷選手は自称「ノミの心臓」ですが、全然そんな感じないじゃないですか?

いや、先祖代々受け継がれたノミの心臓です。でも最近はそれほどでもないかもしれないです。大会でも競輪でも、前ほど心臓がバクバクすることはなくなりました。

Q:「競技をやってて変わったこと」って、もしかしたらそれかもしれないですね(笑)

そうかもしれません。気持ちが強くなりました(笑)

Q:将来コーチ業などは考えていますか?

いや、やれるところまで競輪で頑張って、その後は実家の水道屋を継ごうと思っています。

まだ関係者には何も言っていないですけどね(笑)

雨谷一樹

ここまで費やしてきた時間は無駄ではなかった。

そして雨谷選手の物語はこれからが新章となる。

ナショナルチーム歴は10年ほど、東京オリンピックへの出場こそ叶わなかったものの、その語り口には悔いを感じさせなかった。

今まで培ってきた経験がどう活かされていくのか。戦いの軸足を競輪の舞台へ移す雨谷選手を、再び大舞台で取材する日が楽しみである。