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本当に長い間、この家から離れていた

Q:世界がとても大変な時にこんなことを聞くのも変ですが、エリートクラスに上がってからなかなか家族と過ごす時間も無かったと思います。家族と過ごす時間はどうでしょう?

そうですね。今の状況でポジティブに考えられることは、家族と一緒に時間を過ごせること。これまで本当に長い間この家から離れていました。2か月間共に過ごせるのはとても嬉しいことです。

また、トラック上で練習は出来ないものの、ジムは作ったし、家の中なら自転車にも乗れるので、ほとんどのことを行うことが出来ます。

だからポジティブに考えるのであれば、家族と過ごせてきちんと練習出来ているので良いことだと思えます。

日本の競輪の経験が欧州チャンピオンに繋がった

Q:競技の話ですが、欧州選手権ではとても良い結果を出していましたが、世界選手権では振るわずでしたね。その理由はどのように見ていますか?

2019-2020シーズンは、世界選手権でメダル獲得は叶わなかったので、私にとって厳しいシーズンでした。ですがシーズン始めにケイリンで欧州チャンピオンになれたことは良かったです。その際は日本のガールズケイリンに2年参加したことが活かせたと思っています。

そしてワールドカップでもケイリンのメダルを獲れました(ワールドカップでは第1戦ケイリン銀第2戦ケイリン銅)。でもスプリントでは上手くいきませんでしたね。オリンピックが1年延期になったことは、自分にとってはもっとレベルアップ出来る期間が長くなったと捉えてます。

Q:やはり直近の世界選手権はレベルが高かったですか?

もの凄く高かったです!

スプリント予選のタイムは驚くべきタイムが出ていました。ナターシャ・ハンセンロリーヌ・ファンリーセン等、短期登録で一緒だった選手たちも「Wow!」と驚いていました。

自分もそうでしたが、10秒5台を出した選手が10人近くいました。本当に驚きましたよ。

オリンピック開催年の世界選手権は、リオデジャネイロオリンピック後に自転車競技を始めた私にとって、初めての経験でした。貴重な経験となりましたね。

自分はメダル候補じゃないと思っていた

Q:1年間時間が出来たことで更にレベルアップしなければなりませんよね?

そうですね。私はまだ20歳だし(4月27日に21歳)、1年あれば戦術・テクニック・身体能力と伸ばすことが出来ます。世界選手権からオリンピックに向けてのレベル、目標とするタイムなどが分かったので良かったです。

ベルリンの世界選手権はベストコンディションではありませんでした。調整が上手くいっていなかったと思います。今は家でゆっくりトレーニングし、メディアなどのプレッシャーから解放されているので、この期間を上手く利用したいとは思っています。

Q:メディア・・・インタビューしちゃってごめんね(笑)

大丈夫(笑)

フランスでは誰もが私にオリンピックでの活躍を期待していたけど、自分ではメダル候補ではないと思っていたんです。エマ・ヒンツェ(ドイツ)、リー・ワイジー(李慧詩:香港)など、私よりも年齢が上で経験もある選手たちがいる中で「あなたが1番」とフランスで言われて、期待されていました。もちろん1番になるように努力はしていますが、今は1番ではありません。もう少し時間が必要だったので、1年間の延期はポジティブに捉えることが出来ます。

徐々に増したプレッシャー

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