細くて弱いより、太くて強い方がよくないですか?
Q:ネーションズカップが終わって、全日本選手権も終わりました。エリートデビューとなった2023シーズン、ご自身としてはここまでどう感じていますか?
自分としては物足りないです。
ジュニアの世界選手権では本当に走れなかったんです。「国内なら通用するのに、同年代なのに」ということを目の当たりにしたから、「エリートではもっと積極的に行こう」と考えてました。ジュニア上がりだし、何をしてもいい、と。
そういうつもりではいたんですが、実際は全然レースがわかっていなくて……レース経験もまだまだだし、もっと学ぶ必要があります。スプリント力も持久力も、まだまだ足りないと感じました。
Q:スプリント力と持久力、今、より必要だと思うのはどちらですか?
スプリント力です。全日本選手権で梶原悠未さんを前にして、強く感じました。人数も少ないし、ああなると絶対スプリント力がないと勝てません。持久力があって逃げたとしても、みんなが追いかけてきてしまいます。やっぱりスプリント力が大事だな、と感じました。来年はスプリント力を強化して頑張りたいです。
Q:垣田選手は元々ロードの方がお好きだったと思います。でも今はトラックをやって、その中でも短距離的な力をつけようとしている。どんどんトラック寄りの人になっていって……ますよね?
そうですね(笑)でもトラックをやっていれば、トラックが楽しく感じます。足がめっちゃ太くなったとしても、勝つためには気にしないです。
綺麗な人の動画とか見て「細いな、いいな〜」と思うけど……強い方が良いですよね。細くて弱いより、太くて強い方がよくないですか?
Q:(笑)
「完成」しておきたい
Q:ネーションズカップでは「挑戦者だ」の気持ちで立ち向かって、負けて悔しい想いをしたと思いますが、パリに向けてどのような成長過程をイメージしていますか?
基本的にはチームパシュートに力を入れています。それを考えるとスプリント力ってそこまで重要ではないのですが、パリオリンピックまでに「完成」しておきたいから、スプリント力をつけたいと思っています。
チームパシュートが一番ですけど、個人としてもレベルアップしないといけません。
Q:オムニアムにもチャレンジしていますね。
はい。いつも最後のスプリントで位置取りが悪いので、1種目目のスクラッチからダメダメなんです。自分の中で「ここはよかった!」みたいな感覚がまだありません。
Q:個人パシュートは全日本選手権で良いタイムだったと思いますが、その辺りは?
個人パシュートには苦手意識があったのですが、この前の全日本選手権で走ったことで苦手意識は無くなりました。初めて走ったので基準も何もわからないのですが、(内野)艶和さんが速すぎてびっくりしました。
Q:内野選手、すごかったですね!
はい、めちゃめちゃ強いです!強い先輩に囲まれて心強いです。瑞紀には色々話せるし、1人だったらここまで走れてなかったと思います。
コロナ禍の高校生活から
Q:アジア選手権、世界選手権とビッグレースが待っています。アジア選手権は楽しみですか?
楽しみです!ジュニアの時に初めて海外に行って、初めて大会に出たのがジュニアのアジア選手権でした。その時に優勝できたことが嬉しかったです。ずっと新型コロナの影響で大会に行けなかったので、高校からの目標の一つを叶えることができた大会でした。
高校での目標は「世界選手権でメダルを獲ること」でした。でも高校時代はずっとコロナ禍で、2年の時にやっとロードの世界選手権に行くことが決まったのに、大会の1週間前に渡航禁止になってしまいました。
結局最後の最後、3年生でやっと大会に行けることになったんですよね。すっごく楽しみだったし、勝ったことがすごく嬉しかったです。
Q:では「その嬉しさをもう一度」ですね。
今回はチームパシュートでオリンピックに出るために、しっかり優勝することが一番の目標です。あと3km個人パシュートに出るので、周りの速さもわからない中ですが、自分の思い通りに走れたらと思います。
Q:アジアで個人パシュートが速い選手はあまりいませんし、そこで優勝したら世界選手権に出れちゃいますね。
おぉ……頑張ります。
Q:8月には世界選手権が待っています。
それも楽しみです。怒涛のスケジュールで、波に飲まれてる感はありますが、こうやってたくさん大会に出させてもらっているからには、ちゃんとポイントを稼いでオリンピック出場枠獲得に貢献したいです。
Q:大会に、大学生活に、忙しいですね。
頑張ります!