スプリントでのアクシンデント、その真相は?
Q:最終結果は優勝でしたが、スプリントでは途中落車してしまうレースもありました。
僕の技術がなかったという前提で聞いてください。「ハロン*で自分とタイム差がある選手に、どれだけ効率よく体力を使わずに勝てるか」ということをレースの前にジェイソン(・ニブレット短距離ヘッドコーチ)と話していました。
体力を削らず、でも絶対に勝たなければいけない。そんなことを意識して走っていたら、自分の走り方にマッチせず、初めての経験で技術も足らず、結果転倒してしまいました。
※ハロン:スプリントの予選で実施される助走つきの200mタイムトライアル。
でも本当に良い勉強になりました。そうした展開は今後も経験すると思いますし、そこでどれだけ温存できるかがネーションズカップなどでチャンピオンになる際に関わってきます。
もう経験したくありませんが、(あの落車は)ある意味自分の経験となるインプットになりました。
自分主導のレースで勝つ
Q:ケイリンではどうでしたか?
ケイリンでは自分がやりたいレースを意識していました。予選からやりたいレースが上手くいき、準決勝や決勝でもそれなりにできた印象です。対戦相手の動きを見てからではなく、自分主導でレースを運べたと思います。運もあり、優勝できました。
優勝そのものより、自分が主導となって動けたことが、自信に繋がりました。
ネーションズカップでもそうだったのですが、ある程度マークされるからこそレースもしやすくなり、良い位置で展開できたと思います。ただ、ハイレベルな相手を想定した練習ばかりをしてきたので、経験値が低いことは自分の弱点ですね。
Q:高速道路は走れるけど、一般道は無理みたいな話ですね?(笑)
隼(バイク)と同じです(笑)
Q:ケイリンとスプリントではどちらが得意ですか?もしくはどちらが好きですか?
好きなのは……、やっぱり両方かな……(笑)
スプリントの方が結果は出ているかもしれませんが、もっと強くなりたいという意味ではケイリンも好きですし、面白いと思います。
Q:日本の競輪はどうでしょうか?
日本の競輪ではまだ改善できるポイントがとてもあるので、やっと土台に乗れたかなという印象です。ある意味楽しいです。
Q:『2023全日本選手権トラック』でチームスプリント・スプリント・ケイリンの3冠を取りました。その自覚はありますか?
練習でもレースでも「自分が日本を引っ張って行ける存在になりたい」とずっと思っていました。なので全日本で優勝できて嬉しかったですが、周りから見られているからこそ、練習への態度などの面でも更にしっかりしないといけないと感じています。