グランプリ、そしてその先は
ブノワ:北日本は並びが結構長くなりますよね?
佐藤:お客さんは並びを想像するのも楽しんでいるでしょうからね。
ブノワ:(笑)46歳のグランプリ。「これがラストかも」とは考えますか?
佐藤:2019年に出た時から「これがラストかも」とは考えていますよ。今回も「かも」とは思っています。だから本番まで120%で過ごして、当日は一番近いところから、特等席からグランプリ出場メンバーを見られる、ファンの気持ちで挑もうと思います。
ブノワ:基本的にお尻しか見られませんよ。
佐藤:あんなに近くで見られるなんて最高じゃないですか(笑)
ブノワ:レースでのルーティンはありますか?
佐藤:決まっていませんね。というのも、あえてやらないようにしているんです。「これをやらなくちゃ」「あ、やるの忘れちゃった」みたいに、余計な仕事を増やしたくないんです。その時の感覚のままに過ごすのが良いかなと思っています。
ブノワ:プロとしての競輪選手を終える日が来たら、その後に選手を育てたいと思っていますか?というのも慎太郎さんと話すとさまざまな知識が出てきますので、それを誰かに伝えたいという思いを持っているのかな?と感じるためです。
佐藤:若い選手に聞かれて答えたりすると、その説明が自分にとっても再確認になり、気付きになったりしますよね。現役でいるからこそ、話し伝えることにメリットがあります。だから引退してから全部伝えていくというのは難しいかもしれないです。今は自分もやっているから気付いたり、考えたりできています。そう考えると、コーチ業ってすごいものだなと感じますよ。
自分のことが好きだから自分のことを分析するけど、他人を分析するとなると別種の作業になってくる。間違いなく難しいです。
でもブノワが雇ってくれるならやってみたいなと思いますよ!
ブノワ:来てくれると言うなら、そりゃあ雇いたいですよ。
佐藤:ほんとに?よろしくお願いします!でも俺は今アドベンチャーの最中だから。自分の体が、思考が、どこまでいけるのかの冒険の途中だから、それが終わるまで待って下さいね(笑)
ブノワ:本当に限界まで達してください。羨ましい限りです。
佐藤:競輪があるからこそ、ですね。この環境に感謝していきたいです。
どうしたら脇本を倒せる?
ブノワ:慎太郎さんから質問はありますか?
佐藤:たくさんありますけど……「どうすれば脇本雄太を倒せるか」ですね。
ブノワ:それはみんながどう動くかによりますね。
佐藤:そうですよね。新田先生の話を聞きながら、いろいろ考えていきたいと思います。
ブノワ:しかし慎太郎さんはすでにワッキーを倒してますから、やり方は知っているのでは?いずれにせよ、今年はまたひとつ美しいレースが生まれると思っています。
佐藤:僕もそう思ってますし、そうしたいと思います。そうなれるように準備を整えて会場に向かいます。
ブノワ:たくさんお話を聞かせていただいてありがとうございました。あなたを過剰に持ち上げてるわけじゃなくて、心の底から思っていることをお伝えしてきました。年齢的なコンディションは自分もよくわかっていますから、本当にリスペクトしています。
佐藤:ありがとうございます。その気持ちに応えられるような走りをしたいと思います。
ブノワ:1月また沖縄で合宿をするので、慎太郎さんも良ければ参加してください。グランプリで勝って、休んでる時期かもしれませんが。
佐藤:「グランプリを2度優勝した男」の肩書きで参加させていただきます!
ブノワ:そうなるように願っています!
KEIRINグランプリ2022インタビュー
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