パリオリンピック大会8日目の8月2日(日本時間3日未明)、BMXレーシング(男女)の準決勝〜決勝が実施され、日本からは畠山紗英が出場。しかしもうひとつ、明らかに「日本の人」っぽい名前の選手が勝ち上がっていた。
榊原爽(オーストラリア)
オーストラリアの榊原爽(さかきばら・さや)。オーストラリア出身のBMXレーサーで、名前から察せられる通り日本にルーツを持つ。1999年に日本人の母とイギリス人の父の元に生まれ、2歳から6年間を日本で過ごしたのち、オーストラリアに帰郷。日本在住時にBMXをスタートした。パリオリンピックに日本代表として出場した畠山とは幼少期からの友人。
兄の魁(かい)もBMXレーサーだったが、2020年2月の大会中の転倒で脳に大きな怪我を負い、選手としての活動をやめることを余儀なくされた。これについては24時間テレビで取り上げられたことがあるので、覚えている方もいるだろう。
兄妹でBMXレーサーとして活躍していた榊原爽。兄の事故のあと「恐怖からBMXレースを辞めそうになった」という(出典:オリンピック公式プロフィール)。東京オリンピックにはオーストラリア代表として出場したものの、落車でレースを後にした。
復活、そしてオリンピック金メダル
東京オリンピック後にも何度かの怪我を経験した榊原爽だったが、2023、2024シーズンはUCIランキング1位となるまでの活躍を見せる。
そして迎えたパリオリンピック。初日に行われた準々決勝、2日目に行われた準決勝と決勝、すべてを1着で駆け抜け「完全勝利」で金メダルを手にした。
兄の、そして自分自身の想いの果てに掴んだ、まさに「悲願」の金メダル。彼女のストーリーには胸を打つものがあるだろう。表彰式後のフォトセッションには兄妹でツーショットを撮るシーンも見られた(NHK配信 2:38:00前後)。
なお男子BMXレーシングで銅メダルを獲得したロマン・マユー(フランス)はパートナー。カップルでメダルを獲得したことも付記しておく。