日本で自転車競技を盛り上げる為に

令和と共に生まれた、全く新しいレース「バンクリーグ」。

自転車競技をサッカーJリーグやプロ野球のような「観戦型スポーツ」として普及させる事を目的として開催。国内最高峰のロード選手達による独自のルールと共に、全国の競輪場でレースを行なう斬新なレーススタイルが日本の自転車界に新たな風を吹き込んだ。

Round1からRound4の全戦を終えたバンクリーグを振り返る。

意地と意地の張り合い!シマノがブリヂストンとの激戦を制する/バンクリーグ Round4 宇都宮

エンターテイメント性を求めたレース形態

得意のウィリーで観客を魅了したシクロクロス全日本王者の前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)

バンクリーグの狙いはいくつかあるが、そのうちのひとつは「レースをイベント化することで、より広く自転車を楽しんでもらうこと」だ。

自転車ファンや老若男女の地域住民に楽しんでもらうためにも、屋台や地域の名産品の販売などが行われた。

地酒の販売なども行い、地域の活性化にも繋がっている。

またアメリカンフットボールのように、試合と試合の間に開催したハーフタイムショーでは大会毎に様々なゲストを招致。

開催地が地元の競輪選手達によるデモレースや、マウンテンバイクの山本幸平を始めとする他種目の国内最高峰の選手たちを招待し、エキシビションレースを開催。初心者はもちろん、ロードレースに限らない、様々な自転車ファンに楽しんでもらう為の工夫を凝らした。

マウンテンバイク全日本王者の山本幸平(ドリームシーカーレーシング)

また、バンクリーグでは今まで自転車レース開催において課題となっていた「収益化」への対策を目指した。

ロードレースは公道で見られるため、入場料などで収益を得ることができない。競輪などに比べると、ロードレース界では資金面の問題が存在していた。

バンクリーグでは、チケット制の入場、グッズの販売などで収益化を狙った。更には選手をより間近で見れる「VIP席」を設け、チケットには選手との交流やサイン、写真撮影などの特典をつけた。観客は”非日常”という特別な時間を得て、選手・運営側は収益を得る事を目指した。

開催毎に高まった人気

2018年にバンクリーグのテストイベントとして宇都宮競輪場で開催された「トラックフェスティバル’18」では約500人が来場。そして今年から開催されたバンクリーグではRound1 名古屋ステージから約500人が来場。そしてRound3・4ではVIP席は満席に。VIP席の観客動員数も含め、開催毎にロードレースファン達を筆頭に人気が高まって行ったのは確かだろう。

広島ヴィクトワールや宇都宮ブリッツェンなど、地域密着型チームを擁する地元での開催はチームのサポーターによる応援はもちろん、今まで自転車競技を知らなかった地元の住民も会場へ足を運んだ。このような「地元開催での盛り上がり」や「自転車レースを初めて見る機会」などもバンクリーグの狙いのひとつだった。

以下各ステージ毎の来場者数。

Round1 名古屋ステージ 約500人
Round2 松阪ステージ 約500人
Round3 広島ステージ 約500人
Round4 宇都宮ステージ 約700人

バンクリーグ発起人 加藤GMインタビュー