UCIの本部があるスイス・エーグルに位置する「UCIワールドサイクリングセンター(WCC)」。ロード・トラック・BMXの3競技において、選手や指導者、メカニックなどのトレーニング・育成支援を行う施設だ。

このWCCの「サテライトセンター」が新たに、トリニダード・トバゴとカナダの2箇所にオープンしたことが、UCI公式リリースにて発表された。

UCIリリース(2022年12月8日)

WCCを支える「サテライトセンター」

yoshi's voice

主に十分な環境を持たない自転車競技選手を世界中から歓迎し、育成を行っている「UCIワールドサイクリングセンター(WCC)」。その活動を全世界に広げ、より多くの各国自転車競技連盟とその選手たちを支援するための施設が「UCI World Cycling Sattellite Centre(サテライトセンター)」だ。

「UCI(国際自転車競技連合)」の名を冠しているが、UCIが”所有”している施設ではなく、その活動を行う権利を与えられた既存の自転車競技施設がサテライトセンターとしての役割をそれぞれ果たしている。

既に「伊豆ベロドローム」をはじめ、南アフリカ、韓国、インド、ポルトガルの計5箇所に位置する自転車競技施設が「サテライトセンター」としての活動を行なっていた。

そして今回トリニダード・トバゴとカナダにある自転車競技施設が本プログラムに加わり、世界に7箇所のサテライトセンターが今後WCCの活動をバックアップしていくこととなった。

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クーバ(トリニダード・トバゴ)

新たにサテライトセンターに加わった1つ目の施設が、トリニダード・トバゴのクーバ(Cuova)に位置する「National Cycling Cetre」。

木製250mバンクを擁する屋内ベロドロームほか、各種トレーニング施設を内包する施設。2015年にオープンした国内唯一のベロドロームだ。

実は本施設をサテライトセンターとして活用していく動きは、トリニダード・トバゴの現地メディアから2021年10月時点に報じられており、今回ついにその権利と称号がUCIより与えられた。

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ブロモン(カナダ)

サテライトセンターとして新たに追加された2つ目の施設が、カナダのケベック州ブロモンに位置する「Sylvan Adams Velodrome – Center Multisports Desjardins」。

2022年9月末にリニューアルオープンしたばかりの自転車競技施設。BMX・MTBのコースや木製250mバンクを擁する屋内ベロドロームであり、改築費は32億円相当。ロード・UCIワールドチーム「Israel – Premier Tech」の共同オーナーを務めるシルヴァン・アダムス氏らによる出資によって実現した。

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