ロシアによる組織的なドーピング

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繰り返される不正

今回のロシアによる組織的ドーピング騒動は初ではなく、北京(2008)、ロンドン(2012)、ソチ(2014)の3大会でドーピングの発覚、隠蔽、改ざんの過去がある。

2016年リオ・デジャネイロ大会では、陸上競技とウェイトリフティング、その他競技の一部選手がIOC(国際オリンピック委員会)によってリオ大会への出場が不可となった。翌年2017年、2018年平昌五輪(冬季)のロシア選手団の参加も禁止となった。

関与のない選手には出場資格も?

2018年平昌五輪(冬季)の参加が認められなかったロシアだが、「OAR」として大会への参加は認められた。

「OAR」とはOlympic Athlete from Russiaの略。「ロシアからの五輪選手」という意味で、国家資格ではなく個人資格で五輪に出場するロシアの選手のことを表す。

厳しい検査を受け、ドーピング疑惑の潔白を証明できた選手のみ、OARとして大会に出場することが出来る。

つまりロシア選手団全員が出場できないという訳ではないため、自転車トラック競技でいえばデニス・ドミトリエフアナスタシア・ボイノワなども、OARとして東京五輪に参加する可能性を持っている。

しかし、これはあくまでもオリンピックの話。判決では”国際大会”への出場が不可となったため、今後新たに始まるUCIトラックネーションズカップなどの参加の有無は現時点では不明だ。

参照:OLYMPIC CHANNEL

デニス・ドミトリエフ コメント

ロシアナショナルチーム短距離代表のデニス・ドミトリエフ

「とても残念だけど、自分は出場することに問題は無いと思う。この影響で変わるのは国歌が流れないことと、スキンスーツ(レースジャージのこと)が変わることかな。いずれにせよ開催されれば全力を尽くすだけです」

とコメントしている。

参照:In the interest of Russian athletes RUSADA will not challenge the CAS award