日本競輪選手養成所、通称JIK(Japan Institute of KEIRIN)。日本で唯一の競輪選手養成機関である。この養成所への入所試験のうち、自転車競技未経験者のための試験「適性試験」の体験会である「JIKトレーニングキャンプ」が、2021年3月18、19日に実施された。

キャンプには12人が参加。適性試験の体験のほか、実際の選手候補生たちと同じ食事や、ピストバイクによるバンク走行などを体験した。

このキャンプに、More CADENCE編集部員が「ガチ参加」。本記事ではその潜入レポートをお届けしていく。

入所試験から競輪選手への道を徹底解説!日本競輪選手養成所(JIK)がオンライン入所説明会を実施

適性一次試験体験

JR三島駅に集合し、車に揺られること約30分。静岡県伊豆市にある日本競輪選手養成所へ12人が到着した。ここで2日間、養成所での生活を体験していく。

競輪選手養成所の入所試験は、大きく分けて2つ。

自転車競技経験者のための「技能試験」と、未経験者のための「適性試験」。今回のキャンプでは「適性試験」の体験ということで、自転車競技未経験者達が集まった。

一次試験は垂直跳び・長座体前屈・背筋力の3項目。二次試験ではワットバイク(固定式自転車)にて最大パワー・平均パワー・最大回転数の数値を測定し、本番の試験ではこれらの結果などを元に合否判定が行われる。

垂直跳び

まずは一次試験の3項目の体験。

「垂直跳び」でペダルを踏む瞬発力や、体のバネである跳躍力を測ることができる。腰に専用のベルトを巻きつけ、用意されたマット上で跳ぶ。

膝の屈伸、腕の振りなど「全身」を使い、マットからはみ出さないようなるべく”垂直”に跳ぶことが重要。跳躍の着地地点がマット上からズレるとファウルの対象になる。

試験対策として、日頃から跳躍運動のトレーニングをしておくことが重要だ。

平均 最高
男子 77cm 86cm
女子 46.7cm 60cm

※平均は過去3回の合格者の平均値

背筋力

続いて「背筋力」の測定。

素足で測定器の上に乗り、背中の角度は30度に。ハンドルを限界まで垂直に引き上げ、自身の背筋力を測定する試験だ。

教官の「はじめ」の合図でハンドルを引き、測定が始まる。筆者も2回ファウルを受けたが、3つの種目の中で最もファウルを起こしやすい種目と感じた。JIK公式ホームページに掲載されている動画を基にトレーニングに励むと良いだろう。

平均 最大
男子 236.7kg 276kg
女子 122.3kg 170kg

※平均は過去3回の合格者の平均値

長座体前屈

最後に「長座体前屈」。体の柔軟性を測ることで、養成所での10カ月の訓練で怪我や故障のリスクがあるかどうかを測定する。

体験では2回目の測定の方が記録が伸びた参加者も。「筋肉が温まると記録も伸びる」とのことで、試験時にはウォーミングアップが重要となってくるだろう。なお、試験対策としては日頃からの柔軟が必要だ(教官談)。

平均 最高
男子 49.2cm 56.5cm
女子 47.9cm 52cm

※平均は過去3回の合格者の平均値

また、JIK公式Youtubeチャンネルでも適性一次試験の詳細を観ることが可能だ。

適性二次試験

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