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各走者の役割とは?

4人が「ただ走っている」わけではないチームパシュート。それぞれの役割を説明する。

第1走(スタートで1番内側)

チームの風よけ及びスピード上げ役として、スタートからおよそ2~3周を先頭で走る。その後はローテーションに加わる。

第2走

1走が後ろに行ったのち、チームのスピードを更に上げる役割を担う。1走から引き継いだペースを調整する役割も担っているため、状況判断が出来るて力のある選手が2走になる。作戦よりも速すぎたらペースを落としたり、遅ければ更にスピードを上げたりといった形だ。

第3走

2走が上げ切ったスピードを維持しながらチームを引き連れていく。1走、2走に比べて序盤には体力を温存している分、後半にチームの先頭に立って長い時間走ることが主な仕事となる。

第4走

第3走と同じ。

Qualifying / Men's Team Pursuit / 2020 Track Cycling World Championships, 沢田桂太郎 Sawada Keitaro, 近谷涼 Chikatani Ryo, 今村駿介 Imamura Shunsuke, 窪木一茂 Kuboki Kazusige

今先頭を走っているのは誰なのか、このチームは勝負所を前半と後半どちらに持ってくるのか・・・それらは選手たちの脚質や戦術によって異なる。

このような点を下調べしておくと(どうやって?それはMore CADENCEで!)、レースがグっと面白く見られる。

ラインの綺麗さ、交代の技術

チームパシュートの魅力のひとつは「チームによるラインの美しさ」だろう。一糸乱れずとは言葉の通り、選手たちは絶妙な距離を保ち進んでいく。

1st Round / Men's Team Pursuit / 2020 Track Cycling World Championships /ニュージーランド New Zealand/ キャンベル・スチュワート Campbell Stewart, アーロン・ゲイト Aaron GATE, リーガン・ゴフ Regan Gough, ジョーダン・カービー Jordan Kerby

選手同士の距離が近ければ近いほど空気抵抗は低くなり、余計なパワーを使わずに済む。つまり走る姿が美しければ美しいほど、効率的に走れるということだ(美しくなくても速いチームはあるが・・・)。

Final / Women's Team Pursuit / TISSOT UCI TRACK CYCLING WORLD CUP IV, Cambridge, New Zealand, Georgia BAKER ジョージア・バーカー Annette EDMONDSON アネット・エドモンソン Ashlee ANKUDINOFF アシュリー・アンクディノフ Maeve PLOUFFE メーブ・プルーフ

そしてその美しさを保つためにもう一つ重要なのが「先頭交代」。先頭の選手は斜面を駆け上がり、角度の付いたバンクを駆け下りて最後尾に付く。この一連の動作を繰り返しながら、チームは4kmを駆け抜けていく。

この先頭交代も大切なポイントのひとつ。これは空気抵抗を受け、体力を消耗する位置である先頭を交代することでより速く進むために行われる。

Qualifying / Men's Team Pursuit / TISSOT UCI TRACK CYCLING WORLD CUP IV, Cambridge, New Zealand, 窪木一茂 今村駿介 近谷涼

しかし最後尾に付く際に、前の選手と近すぎたため接触し落車してしまう場合も。かといって逆に距離を取りすぎても、前の選手たちに追いつくために体力を使い、休むために後ろに下がったのに逆効果・・・・・なんてこともある。「先頭交代」というよりは「先頭の選手がいかにして最後尾に付くか」こそが大事なポイントなのだ。

また、交代回数が少なければ少ないほど先頭の選手に掛かる負担は大きいが、交代でロスするタイムも減る。

対戦形式となる1回戦や順位決定戦では自分の応援するチームと相手チームの交代のタイミング、先頭になった選手の走る距離などを比べてみても面白い。

ペース配分とコーチ

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