ブノワ・ベトゥ。フランスから来た自転車トラック競技の優勝請負人。2016年に就任して以来、日本代表に国際舞台で数多くのメダルをもたらした名将だ。そのブノワが見た『KEIRINグランプリ2021』『ヤンググランプリ2021』とは?

名将のインタビューをお届けする。

BMXは全てに通じる『KEIRINグランプリ2021』

Q:元BMXの選手が勝ちましたが、驚きなどありましたでしょうか?

無かったです。なぜならBMXは自転車競技の基礎を身に付けることが出来るからです。BMXを若いうちに行っておけば、その後はトラック、ロード、マウンテンバイクなど全てに通じるスキルが身に付きます。元BMXの選手が競輪で勝つことに何も驚きはありませんでした。

BMXは本当に良い種目です。加えて長迫吉拓古性優作選手には注目していたので、私も彼に注目していました。

驚きと言えば、古性選手の走りに誰も付いていけなかったことですね。

レースを見直してみれば分かると思いますが、古性選手は、ずっと平原(康多)選手の後ろで体力を溜めて冷静にレースを運んでいました。仕掛け時が来るのを待っていましたね。あの冷静さは素晴らしいです。残り半周で加速するまで無駄な体力を消耗していませんでした。

一方で宿口(陽一)選手は後ろを気にし過ぎたせいか、体力を消耗してしまっていたようにも見えましたね。古性選手は単騎で走り、他のラインを“使う”ことが出来ました。最終的に前に3人しかいない状態を作れたことが大きかったと思います。

来年は日本代表の選手が勝つ

Q:やっぱり、競技の日本代表選手がこの場に居ないのは寂しいですね。

もちろんです。でも今年はオリンピックがあったので、G1で勝つことや獲得賞金を多くすることが難しい年だったということは理解しています。

これまで私が就任してきてから、今年以外はずっとナショナルチームの選手が出場していますが、未だにグランプリでは勝てていません。来年は強い選手を連れてきて、グランプリで勝ちたいと思っていますよ。

小原には自信が必要

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