日本チームが大活躍を見せた香港での『2021 ネーションズカップ』第2戦は、厳格なコロナ対策がされた特殊な大会でもあった。

今回は視点を変え、日本チームへ”JCF事務”という役割で同行するスタッフの齊藤真未さんへ話を伺ってみた。活躍する選手や、それを支えるコーチやメカニック、マッサージといったスタッフ陣。さらにそのチームの裏側を支える役割の彼女もまた、絶対不可欠の存在だった。

これまでスポットライトが当たる事のなかった”JCF事務”。海外遠征時の仕事内容、スタッフから見たコロナ禍における国際大会の開催環境について教えてもらうと、大会の光景がまた違う角度から見えてきた。

香港出発までのバタバタ

Q:海外遠征時の仕事内容について教えて下さい。

通常であれば、大会の約1〜2ヶ月前から準備が始まります。フライト、ホテルの手配、大会へのエントリー等。

ですが今回の香港でいえば、大会日程は早い段階でアナウンスをされていたものの、直前のネーションズカップ第1戦のイギリス大会が開催されるのかどうなのか(※:開催5週間前に中止決定)?という状況だったので、香港の準備も直前まで動けない部分がありました。

約2週間で一気に準備を進め、しかしそれでも直前までフライトの変更があったりと、毎日バタバタでしたね。

開催中止が決定、UCIネーションズカップ初戦イギリス大会

現地に行ってからもチームのサポートとして様々な雑務をします。会場とホテルが遠い場合、必要なら選手の送迎も行います。帰国後は荷解きや各種精算・・・といったところが一連の流れです。

現地で何か問題があれば対応するのも事務の仕事なので、大会期間中は問題が少なければ少ないほど、しっかりと準備ができていた証拠となります。

現地へ到着してからは、まず大会への選手のエントリーが正しく行われているかの最終チェックをし、エントリー内容に変更があればその手配も行います。

Q:今回の遠征準備で大変だった部分はどういった所ですか?

香港入境に認められる形式でのPCR検査を、選手・スタッフ全員分手配する必要があったこと。そして日本への帰国後も2週間の隔離等があり、出入国条件を調べる必要があったことが普段との違いであり、大変でしたね。

入国時のPCR検査も日本と香港では認められる検査方法が違うので、大会主催者や香港の担当期間へ確認する等、今までになかった作業が入ってきて、大変でした。

Q:もし齊藤さんがそこの情報を間違ってしまうと、チームが入国できない、大会へ参加できないといった事もあったわけですね?

それはありましたね。だから間違いは許されず、プレッシャーでした。アリス(短距離チーム通訳:アリス・ボナミ)にたくさん手伝ってもらえたので、とても助かりました。すごく心強かったです。

2回鼻をほじくられた日

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