日本製という誇りが、結果の差に繋がると思う

10月10日、1964年の東京オリンピックの開幕からちょうど53年目。東京・広尾のブリヂストングローバル研修センターで日本自転車競技連盟(以下、JCF)と株式会社ブリヂストン(以下、ブリヂストン)が記者会見を開き、2020年の東京オリンピックで、日本代表自転車競技チームがトラック短距離競技(ケイリン、スプリント、チームスプリント)で使用する自転車の供給を行うことを合意したと発表した。

JCF会長の橋本聖子氏は「機材はブリヂストンさん、そしてエンジンとなるアスリートの体はJCFがしっかりと強化をしていきたい。機材と、選手とがオールジャパン体制で2020年に迎えるチャンスを頂いたんだという風に思っている」とし、日本代表チーム短距離ヘッドコーチのブノワ・べトゥ氏は「日本製の自転車で走ることは、選手にとっても誇りへ繋がるし、その誇りが結果の差に繋がると思う」と語った。

JCF会長 橋本聖子氏

2020年東京オリンピック・パラリンピック大会まで残り、あと1000日程となりました。
今日は10月10日です。53年前の今日、この日が東京オリンピック・パラリンピックの開会式であったわけであります。その記念の53年目のこの日に、こういう記者会見でのご挨拶をさせていただく事、本当に感慨深いものを感じています。

2020年に向かって、私どもJCFとしては地元開催という事もあり、ケイリンは日本の発祥の競技でもあります。何としても日本のトップメーカー、そして世界の技術を誇るブリヂストンさんの機材で戦いたいという思いがあり、かねてから機材の提供をお願いをして参りました。

その中で、中野浩一強化委員長、そして昨年日本のヘッドコーチへブノワ・べトゥ氏も就任していただきました。ブノワ・べトゥコーチは昨年のリオのオリンピックで中国の自転車競技チームのヘッドコーチを務められ、女子のスプリント種目で金メダルを獲得した方です。

私どもは、その素晴らしい技術、そしてコーチとしての能力を是非この2020年東京大会で発揮をしていただきたい。そして私どもの目指すケイリンやスプリント競技といったトラック競技で、金メダルを含む5つ以上のメダルを目指し、強化委員長のもとで強化対策をしているところであります。

何としても、この東京開催という事もありますので是非、日本のトップメーカーである世界の技術を誇るブリヂストンさんにその技術を結集していただき、私ども自転車競技連盟に対しそういったノウハウやあるいは連携強化を図りながらの技術開発を共にしていただけないかというお願いをしてきました。綿密な打ち合わせを現場のブノワ・べトゥコーチ、そして中野強化委員長と共に時間を掛け、あらゆる問題点に取り組んでいただき、今回この様に契約の記者会見をさせていただくという事になりました。

お願いをさせていただいた時にも、“一所懸命に頑張る”と力強い、温かい言葉をいただき、快くお引き受けいただきました。

機材はブリヂストンさん、そしてエンジンとなるアスリートの体はJCFがしっかりと強化をしていきます。まさに物つくりの日本、そして2020年、世界に誇るものとして発信ができる様に選手たちを強化し、より素晴らしい自転車という競技、その普及活動を、これからしっかりとした物にしていきたいという思いです。まさに機材と選手とがオールジャパン体制で、2020年を迎えるチャンスをいただいたんだという風に思っております。

株式会社ブリヂストン 執行役副社長 西山麻比古氏

株式会社ブリヂストン 執行役副社長 西山麻比古氏

株式会社ブリヂストン 執行役副社長 西山麻比古氏

ブリヂストンは国際オリンピック委員会のワールドワイドパートナー13社のうちの1社となっており、東京2020年パラリンピックでは合同パートナーという位置付けです。

グローバルメッセージである「CHASE YOUR DREAM」夢を掴み取ろうという感じでしょうかね。これをテーマに日本各地でのイベント開催やサポートなど夢に向かって挑戦する、その挑戦を支える取り組みを進めてまいります。

ブリヂストンサイクルは日本ではよく知られているが、世界ではまだ知られていません。ブリヂストングループが持つ解析技術を総力を結集して新たな短距離競技用自転車を開発していく事にし、ブノワコーチのアドバイスを元に順調に開発が進んでいます。オリンピックは科学や技術の競争の場とも考えており、日本の技術で日本代表チームをサポートできる事を嬉しく思い、総力をあげてサポートしていきます。

ブリヂストンサイクル株式会社代表取締役社長 関口匡一氏

ブリヂストンサイクル株式会社代表取締役社長 関口匡一氏

ブリヂストンサイクル株式会社代表取締役社長 関口匡一氏

新しい自転車の開発には3つの技術が重要です。1つ目は「解析、予測技術」2つ目は「評価の技術」3つ目は「設計、製造の技術」。長年のレース経験を活かし、ブリジストンの持てる技術力を結集し、2020年東京オリンピック金メダルを目標にして自転車の開発に取り組みたい。

また強化委員長のアドバイスを元に、開発の技術向上のためチーム編成を行っていきたい。是が非でも金メダルを取るべく開発を進めていく。

JCF理事 選手強化委員長 中野浩一氏

JCF理事 選手強化委員長 中野浩一氏

JCF理事 選手強化委員長 中野浩一氏

ブリヂストンが世界で一番の自転車を作ってくれるということで、東京オリンピックで是非メダルが取れるよう、その自転車にあった選手を是非育てていきたい。

世界選手権、オリンピックで日本の選手が日本製ではない自転車でレースに出ているのに違和感があったが、ブリヂストンには本当に大きな期待をしているし、東京オリンピックでは日本の選手がメダルを獲るということを期待していただきたい。

日本代表チーム短距離ヘッドコーチ ブノワ・べトゥ氏

日本代表チーム短距離ヘッドコーチ ブノワ・ヴェトゥ氏

日本代表チーム短距離ヘッドコーチ ブノワ・べトゥ氏

先端技術を持つ海外メーカーに対抗できるのは、日本ではブリヂストンを思い浮かべた。ブリヂストンの技術を提供してもらえることに感謝している。日本製の自転車で走ることは、選手にとっても誇りへ繋がるし、その誇りが結果の差に繋がると思う。

Text/Photo : Shutaro Mochizuki